私たちよりも下の世代には印象が薄いかもしれないけれど、この人が登場したときは、あの伝説のS.S,W.の実息とカミングアウトしたことでとても大きな話題になっていました。
往年のロックファンも、当時の私のようなロック小僧もこぞってデビューアルバムを購入したものでした。
その彼の死後に発表されたライブアルバムからの1曲。
実は、デビューアルバムの曲の中でもこの曲が一番好きでした。
彼の曲は「静の中の動」を求めるタイプが多い中、この曲はその逆で「動の中の静」を探すような曲でした。
このライブ・バージョンでは、それがさらに顕著になっている感じ。まるでパンクのようなリズムの中を、切れ味の鋭いギターと搾り出すような彼の声が駆け巡っていく。
彼のギターの音だって、ノイジーで、スタジオ録音とは違った荒さも目立つけれど、それさえもとてもかっこよく聞こえるのです。
これを演奏しているときは、彼自身、まさか余命が短いなんて思っていなかったでしょう。この曲を聴くたびに、「今、彼がいたらどんな曲を聞かせてくれるのだろう?」っとついつい思ってしまう私です。
≪From アルバム『即興~Mystery White Boy Tour~ 』≫