魅力的なグループって、絶対的な人気を博する人のほかに必ず影に徹する人がいると思うのです。
たとえば、ビートルズのジョージ、ジミ・ヘンのエクスペリエンスでは、ミッチ・ミッチェル、クラプトンのいたドミノスではカール・レイドル、そしてドリフには高木ブー・・・そして、かつてストーンズにはビル・ワイマンがいました。
今日の曲は、そのビルのストーンズ脱退後のソロから。
この曲、ブルースやR&Bにちょっと精通した人にはたまらない面子でございます。
リード・ギターはクラプトン、リード・ボーカルはジョージィ・フェイム、そしてベースは主役のビル。そう、60年代にブルースやR&Bを志し、それぞれの視点からアプローチしていた人たちの競演なのです。
クラプトンはいつものとおり、クラプトン節とでも言うべきフレーズを連発。フェイムはかつての勢いこそないものの、非常にファンキーな歌いまわしを披露してくれています。
そして、ビル。やっぱり目立つような派手なプレーではないのですが、非常に安定していて、他の共演者がみんな演奏しやすいような雰囲気を作り出しています。こんなに視野が広いプレースタイルだなんてちょっと驚きです(だって、ストーンズ時代には割りとルーズなことも多かったので・・・)。
しかし、やっている本人たちもこのセッションはとても楽しいのだろうなぁ。本当にみんながのびのび演奏している姿が目に浮かびます。それもこれも、リーダーのビルが自身のベースでしっかりと安定した土台を作っているから。
寒い夜にちょっぴり大人な、ビル・ワイマンの音楽はよく合います。
≪From アルバム 『struttin' out stuff』≫