久しぶりに聴きました、こんな“王道”な音楽を奏でるデビューアルバム。
“王道”・・・最近はなんだかとっても居心地の良くない言葉になりつつありますが、私は好きです。そりゃ、実験的なアバンギャルドさもゲージツの発展や演奏技術の向上には必要だけれど、王道と言われる音にはポップな魅力がたくさん詰まっています。
っで、そんな珠玉な音たちがひしめくこのアルバムから、今日はリズムがとってもすばらしいこの曲。
この人、実はベース弾きのボーカリスト。そんなわけで、この曲でも奇をてらわない演奏を披露しています。
ベースはやや控えめながら、ドラムやピアノ、ギターのしっかりと引き立てる、正に王道なスタイル。
そこに彼女のセクシーで濡れたボーカルが乗っかれば、最高の組み合わせになってしまうのです。
そして、隠し味はテナー・サックスのハリー・アレン。
彼のリーダー作も大好きな私には溜まりません。
コレだけそろえば、この曲の持つウェットな雰囲気がムンムンと表現されていることはわかっていただけるのではないでしょうか?
そうそう、“王道”のウンチクでもうひとつ。
ベタなことをやるには、上手くないとカッコよくないんだよね、これが。
≪From アルバム『Moon River』≫