90年代を代表するこのビョークのソロデビューアルバム。このアルバムが出た1993年といえば、私はまだ田舎の中坊。
レコードショップやFMで彼女の名前は耳にしていたものの、まだ洋楽を聴き始めたばかりの小僧には、その高い音楽性が理解しがたいものでした。
そして、時が過ぎてこのアルバムを手にしたのは、それから10年たった頃。普通、こういったテクノロジー的な音楽って古びるのが早いのだけれど、彼女の音楽は別格かな。
その中でもこの曲が好きなんです。
打ち込みのビートにシンセで装飾を施している感じの曲ですが、それにしてもこのメロディーの美しさはなんなんでしょう。思わずうっとりしてしまいます。
そういったメロディーのよさが直接伝わってくるのも、このバックの打ち込みビートがあってこそだと思うのです。
無機質な中に、シャウト(?)を繰り返す部分など、とても生々しいビョークの声が妙に新鮮に、輝いて聴こえてしまうのです。
多分、これを生バンドの演奏でレコーディングしていてもここまでの生々しさは伝わらないはず。
あえて、機械で作り出したビートの中に身を置いたからこそあふれ出た生々しさなんじゃないでしょうか?
こうしたデジタルビートに綺麗なメロディーを乗せた曲って、実はとても難しいと思うのだけれど、最近、また妙に気にかかってしまうなぁ。自分でもいつか挑戦はしてみたいけれど・・・。
≪From アルバム『Debut』≫