初めて彼の音楽を聴いたときの感想は、「なんて引き出しの多い人なんだろう」っと。とにかく、それ以前のソウル・ミュージックを凝縮したような豊かな音楽性に感動しました。
そして、今日はそのきっかけとなったファーストアルバムから。
この曲は、アルバムの2曲目(だけど、実質1曲目かな)なんですがなんともニュー・ソウルなムードが素敵なのです。
印象的なギターリフ、とそれを元に展開してくメロディー、さらにそのボーカルに呼応するようなピアノ。それらのそれぞれが音数少なく、独特な雰囲気を持っていて楽曲を構成しています。
曲の展開の仕方だけならばスティービー・ワンダーを彷彿させ、アレンジではダニー・ハサウェイあたりを参考にしているようですが、これがかなり完璧に近い形ではまっています。
ただ、ひとつ違うのは、彼の音楽が懐古主義ではなく、最近のテクノロジーも積極的に活用しているところ。この曲も恐らくドラムはプログラミングされたもの。だけど、それを微塵も感じさせないほど全体の雰囲気は生々しいのです。逆に、そういったリズムの音をいれることでヒップな感覚を取り入れることに成功しているような感じさえ受けます。
彼の曲には「○○っぽい」なんていう例えがよく使われるみたいだけれど、彼は多くの音楽的なルーツを持っていて、それを場面ごとに上手く引き出しているんじゃないかなぁ。
とにかく、往年のソウルミュージックのファンには一度聴いてみてもらいたいです。この感覚、きっとハマるとなかなか抜け出せませんよ!!
≪From アルバム『Get Lifted』≫