例えばビートルズのアビーロードもそうなんだけれど、意図的に有終の美を飾ろうとして、ボロボロになりながらも作り上げた完成度の高いアルバムってありますよね?
このアルバムもそんなアルバム。
もちろん、グループは今でも存在しているけれど、この最初期のクリムゾンは一般的にこのアルバムまでと言われています。
そして、そのアルバムタイトルを飾る曲がこの曲。
いかにもクリムゾンらしいヘビーでアグレッシブなサウンドで、きっと発売当時もリスナーを喜ばせたことでしょう。
だって、今、リアルタイムを知らない私が聴いてもこのメインのギターリフはとても新鮮だし、Bメロ、Cメロのドラマチックな展開は聴く耳をぐっと手繰り寄せてしまいます。
あと特筆すべきは、この曲が実はとてもシンプルだということ。
所謂、シンセだ、テクノロジーだといったプログレ的な要素はきわめて低く、ギターとベース、ドラムといったバンドの3要素が占める割合がとても大きいのです。
夜の静けさがいっそう増して感じられるこの季節、ヘッドフォンをあてて聴く、高い完成度のこの曲は、いっそう私の心を引き込んでいくのでした。
≪From アルバム『Red』≫