なんとも怪しげでセクシーなこのジャケット。ロキシーは、こんなジャケットが多いから高校生くらいまでは“オトナの音楽”って決め付けていた。だから当然、本格的にほれ込むのも遅かったんです。
今日の曲は、このアルバムのB面1曲目(アナログ盤ではね)から。
とってもシンプルで美しいピアノの旋律から始まって、バンドアンサンブルになり、クラシック・スタイルのバイオリンも絡んでくる・・・。発表された時期を考えればニュー・ウェイブのさきがけではないでしょうか?
と、まあ色々な要素が絡んで組みあがっているこの曲ですが、私がもっとも強烈なインパクトを受けたのは、2コーラス目のユニゾンともコーラスとも言いがたい2つ目のボーカルライン。この絡み方がとってもイイ!! 一歩間違えば、音楽としてのクオリティを下げてしまうところですが、逆に目を引くためにあえてやってしまうなんて・・・。少なくとも常人にはこんな芸当はできません。
今聞いても先鋭すぎるこのセンス。いかにも欧州らしい芸術感覚をもった才人たちが集まると、30年も前のテクノロジーでもこんな完成度の高いものができてしまうんですねぇ。
≪From アルバム『Siren』≫