“力をもった歌”ってこういう曲のことをいうんだろうなぁ。
肩の力が抜けていて、それでいて胸に突き刺すようなメロディー。
とってもシンプルなアレンジなんだけれど、だからこそ歌の持つ力や生々しさを感じることができてしまうのです。
実は、ちかくの中古CDショップのワゴンセールで手に入れたんだけれど、なんか申し訳ないくらい素晴らしい曲でした。
聴こえてくるのは、彼女の声とアコギとボトルネックスライド、そしてリズム代わりのステップの音。とてもリラックスした雰囲気の中で流暢なスライドギターがブルージーなムードをかもし出すのです。
恐らく、ひとりの多重録音で、コーラスさえも彼女自身で重ねているとおもうのですが、なぜかとても肌触りが良い、人肌の温もりを感じてしまう音楽なのです。
昔、どっかで拾い読みした“ホントにいい音楽はどんなアレンジでも表現できる”って言葉をふと思い出しました。
きっと、こんな音楽のためにある言葉なんだろうなぁ。
ポップスの煌びやかさやSSWの優しい声、エレクトリックブルースやジャズの仰々しさに飽きたときには、こんな音楽もオススメです。
アメリカ音楽の奥深さとジャンルを超越した“歌のちから”にノックアウトされちゃいました。
≪From アルバム『Suit Yourself』≫