こんなに演奏者達の楽しいそうな笑顔が容易に想像できる音楽もそんなにないんじゃないかなぁ。アルバム全体を通して、音楽の質としての色々なジャンルがごった煮に加え、それを個性的なメンバー達がそれぞれの視点で演奏した時に味わえる奇跡的な“刺激”のようなものをジャケットの絵のごとくメンバー達が味わっている様子を感じることができます。
そんな素敵なアルバムから、ボブ・ディランとの競演曲を。
なんとジャケットの絵にも登場しているんですね。右側で膝を折り、テレキャスを抱えている人、間違いなくディランでしょう。
そう、この曲では彼がリード・ギター、Dr.ジョンがオルガンというなんとも豪華布陣なのです。
肝心の曲はカントリー/ブルーグラスな風合いが強く、ダグに負けまいとディランもハモリに近いコーラスをとっています。終盤、歌詞を間違えてもそれを突き通すのはさすがです・・・。
バックの演奏はピアノの響きとドブロの音色が妙に美しくて印象的。オルガンとバイオリンが全体の音をとても分厚いものにしています。間奏では、いつになく落ち着き、少し不安定なディランのギター・ソロも聴くことができます。決して派手に宣伝されるような曲ではないけれど、愛すべき小曲っといったところでしょうか。
あれ、そういえばディランの息子のバンド『Wallflowers』じゃなかったっけ?単なる偶然か?
≪From アルバム『Doug Sahm and Band』≫