この人の音楽を聴くたびに、音楽の娯楽性を感じずにはいられないのです。そりゃ勿論、世の中にはゲージュツ的な音楽も必要ですが、私のような教養のないものには下世話な音楽のほうが胸に残るのです。
そんなわけで、今日は彼がアメリカに憧れ作ったこのアルバムから、この曲を。
そもそも美しいバラードが多いこのアルバムの中で、タイトルどおりのブルース・ロック・ナンバーでコステロ流ロックン・ロールの原点のような曲なのかもしれません。シンプル中にもリズムギターのリフ、コードを響かすハモンド・オルガン、3連符を刻むピアノ、そして彼の力のこもったボーカルがひしめき合って、その場の楽しい雰囲気を醸し出だしています。
特に彼のボーカルは、かつてのホワイト・ブルースなんかと同じで、必死に本来持ち得ないソウルを込めようとしているのが感じられます。
下手くそな私メなんかもブルースをジャムって演奏するときはとても楽しいのです。きっとコステロさんもそんな気持ちだったのでは?っと勘ぐってしまうのでした。
≪From アルバム『King of America』≫