とっても美しいんです、この曲。
最近、ようやくギルモアさんのソロアルバムを手にしたのですが、やはり彼のギターの音、フレーズ、タイム感...どれをとっても美しいなぁっと。
これまでは単にピンク フロイドのギタリストとしてしかみていなかったけれど、こんな曲を聴いてしまっては私の中の最重要ギタリストの仲間入りですね。
どっしりとしたリズムをバックにエコーたっぷりのリードギター、ジャリッとした感じのリズムギター絶妙に曲をつむぎだしていきます。リードギターはとても綺麗な音色で、ボーカルに絡めたフレージングを展開するのだけれど、これがいいんだぁ。
ヘビメタあたりの様式化された美しさとは別次元の完全な泣き節。泣き節なんだけれどブルースっぽさはあまり感じないのね。この辺りがこの人のすごいところかと。
っと、演奏のことばかり書いてしまいましたが、曲自体もすごくいいです。もしコレをフロイドでやると大作的になってしまうんではないかと思うような単調かつ広がりのある曲ですが、それをいい具合にまとめちゃったって漢字でしょうか。
ゆるやかに気持ちを高めるような曲なので、最近は朝の通勤で欠かせなくなっちまいました。
There's No Way Out Of Here / David Gilmour
Red / King Crimson
例えばビートルズのアビーロードもそうなんだけれど、意図的に有終の美を飾ろうとして、ボロボロになりながらも作り上げた完成度の高いアルバムってありますよね?
このアルバムもそんなアルバム。
もちろん、グループは今でも存在しているけれど、この最初期のクリムゾンは一般的にこのアルバムまでと言われています。
そして、そのアルバムタイトルを飾る曲がこの曲。
いかにもクリムゾンらしいヘビーでアグレッシブなサウンドで、きっと発売当時もリスナーを喜ばせたことでしょう。
だって、今、リアルタイムを知らない私が聴いてもこのメインのギターリフはとても新鮮だし、Bメロ、Cメロのドラマチックな展開は聴く耳をぐっと手繰り寄せてしまいます。
あと特筆すべきは、この曲が実はとてもシンプルだということ。
所謂、シンセだ、テクノロジーだといったプログレ的な要素はきわめて低く、ギターとベース、ドラムといったバンドの3要素が占める割合がとても大きいのです。
夜の静けさがいっそう増して感じられるこの季節、ヘッドフォンをあてて聴く、高い完成度のこの曲は、いっそう私の心を引き込んでいくのでした。
Freefall / CAMEL
このバンド、何枚かアルバムを持っていますが、名盤との誉れ高いこのアルバムだけはなぜか持っていませんでした。そして、このアルバムを手にした今、最初にこれを買うべきだったと公開しております。
もちろん、私の所有している他のアルバムもプログレしてるんだけれど、このアルバムの完成度の高さには到底及びません。
っで、そんなアルバムの1曲目が今日、紹介する曲です。
もう、イントロからしてカッコいい。単純なシンコペなんだけれど、これを聴くだけでワクワクしてきます。
そして、ドラムのなんてカッコいいことか。タイトなリズムでやや音数も多めに、ちょっとしたフェイクも交えて・・・文句のつけようがないです。
さらに、メロディアスでテクニカルなギター。決して目立つような音やフレーズではないけれど、自然に流れるようなメロディと癖のない弾き方が印象的。
プレグレって言うと、どうしてもヘヴィーな方向だったり、しまりのない音の方向へ行ってしまいがちだけれど、これだけタイトなリズムとそれに対する各楽器の早いレスポンスで音楽が完成しているのを聴けるのはとても新鮮でした!!
しばらくは、私のプログレ部門の愛聴盤となりそうな雰囲気。
早くもハマってます。
Sunshine Superman / Donovan
ジャケットからして、私は大好きなんです。
どうして、こんな素敵なジャケが作れて、それにマッチするような不思議な曲が詰め込めるのか、それはやっぱりこの人のありふれた才能ゆえでしょう。
今日は、このレビューでも何回か紹介しましたドノヴァンの大ヒット曲を。
この曲はよくCMなんかでも使われているのでご存知の方も多いと思います。イントロのベースとパーカッションのグルーブだけ取り上げても、そんじょそこらの名曲ではないことは明白。そして、なによりも全編にわたるシタールの音色。リマスターCDではこの音色もより鮮明になっていて、独特の雰囲気も増しております。
生ギターもハイ・ハット代わりのごとく、パーカッシブに鳴り響きサビの部分の彼のダブルトラック・ボーカルもドライな雰囲気を与えていて最高なんです。
実は、このレビューを書くにあたり見直したところ、CDの音源がモノラルだと気づきました。音数が少ない割りに分厚い音の壁のように感じるのは、初期のビートルズなんかと同じで、モノラルならではの現象なんですね。
この人の声もジョン・レノンと同じでモノラルの方が迫力を感じるタイプじゃないのかなぁ、っと妙に納得してしまいました。
とにかく魅力的な曲が詰まった「おもちゃ箱」のようなこのアルバム、今後も折を見つけてレビューします。お楽しみに!!
21世紀のスキッツォイド・マン / King Crimson
ロック・ファンなら誰もが目にした事のあるこのジャケット。
私も始めてみたときから、このジャケットのインパクトは忘れられず、迷った挙句にジャケサイズの大きなLPで購入した記憶があります。お掛けで、今でのこのアルバムを棚から引っ張り出すと、そんな懐かしさも一緒に漂ってくるんです。
っと、いうわけで、雑誌なんかの名盤紹介でも必ず紹介されるこのアルバムの1曲目が今日の曲。
いつ聴いても色あせないイントロのリフ。多分、ギター弾きならば誰もが爪弾いた事があるのではないでしょうか?それだけ印象的で、美しいメロディ。いかにもヨーロッパ人らしい魅力に溢れています。
そして、ドラムの夥しいほどの音数。既にヘビメタに片足が染まっているかのようです。
中盤は違ったリズムのパートが組まれ、そこでは練りすぎていないジャムセッションのような雰囲気を味わうことができます。
プログレ特有の緊張感の中に、人間味を感じる部分があるというか、私なんかは、なんだかそこにグッときてしまうのです。
私が聴き始めた頃は既にプログレというよりはハード・ロック、ヘビメタ小僧達のバイブルという気色が強かったのですが・・・私は純粋にその実験精神が好きでした。
私にとっては、ロックがまだプログレシブ(発展系)だったころの空気をパッケージして伝えてくれるような1曲です。
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