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トップ > 音楽レビュー > ~60年代ロック

Blue Suede Shoes / John Lennon (plastic ono band)

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今さらながら、世界で一番好きなライブアルバムはコレです。
ちょうど私がロックンロールになじみ始めた頃にCD化されて、以来ずっと聞き続けています。

ジョン自身が慣れ親しんだカヴァー曲やオリジナル曲を気心知れた仲間たちとぶっつけ本番でやるっていうシチュエーションで、独特の緊張感とバンドの一体感を感じることができて何度聴いても聞きあきない。

特に、この1曲目のプレスリーのカヴァーは、ジョン自身の緊張度合いも伝わってくるようで好きだなぁ。ジョンのカジノのやや細い音と、クラプトンの太い音色のリードギターが良く合っている!

ビートルズでは、ギブソン系のギターの音色が2本重なることはあまりなかったから新鮮だし、その後のハードロックを予感させるようなコンビネーションだと思いますが、いかがでしょうか?

いまからさかのぼれば40年以上前のライブなのに、この演奏とグルーブが古さを感じさせないんだよね。

しかしながら、脱帽なのは、ジョンのロックな歌声でも、クラプトンの流暢なギターでもなく、ジョンの弾くリズムギターの上手さ。こんなグルービーなリズムギター、歌いながら弾くのって相当難しいよね。

≪From アルバム『Live Peace in Toronto』≫

Roadhouse Blues / The Doors

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世間的には、決して評価の高いアルバムではないけれど、私の大好きなアルバムなのがコレ。

ドアーズのアルバムの中でもどちらかというと異端扱いなことが多いし、初期のドアーズのイメージから見ればかなり遠い位置の音楽なんだけれど、なんたって、トップを飾るこの曲でノックアウトですわ。

イントロのギターの音からして、明らかなブルースロック。
ブルースハープの入れ方だって、伝統的なブルーススタイルだしね。
でもこれが新鮮でカッコイイ!!

シンプルなリズムの組み立てと、ギターリフの作り方は後のハードロックにも通じるもので、当時としてはかなり先鋭的だったはず。

でも、面白いのは、アメリカンハードロックとブリティッシュハードロックの中間的な音楽だってこと。アメリカンハードのラフでホンキートンクな感覚とリフなんかを固めて進行するブリティッシュハードのいいとこ取りっていう感覚なんだよね。

この曲に代表されるようにアルバム全体にブルースロック的なアプローチをしてもブルースロックとは異次元の音楽を作れてしまった彼ら。

モリソンがもう少し長く生きていたら、この曲のような音楽をさらに高次元に昇化させた音楽が聴けたのかもって思うと。。。でも、このレベルも十分すごいんですけれどね。

≪From アルバム『morrison hotel』≫

Clarietta Rag / Kevin Ayers

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音楽って、やっぱり演奏しているほうも、聴いているほうも楽しいのが一番だと思うんです。仮に、それがライブだろうと、CDやレコードだろうとね。

っと、言うわけで、最高に楽しくなる音楽が今日の曲なんです。

ジャケットやアルバムタイトルでもわかるとおり、アルバム全編がまさに子供のおもちゃ箱をひっくり返したような、とても楽しく、アイディアいっぱいのつくりなんですが、特にこの曲が私は好きなんです。

もともとソフトマシーン出身のケヴィンだけあって、メロディーはカンタベリー色が強く、演奏もしかり。でもね、そこらのカンタベリーバンドでは持ち得ない、楽しい雰囲気がこの曲からは溢れているんです。

リラックスしたケヴィンが、本当に楽しそうに曲を作り上げているのが見えるぐらい。それは、エレピの弾み方やファズ・ギターの奏でるメロディーでも明らかです。

秋の夜長、たまにはこんな一風変わったリラックスミュージックはいかがですか?

≪From アルバム『おもちゃの歓び』≫

Going Down / Moloch

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この曲は誰もが1度は耳にしたことがあるはず。
なんたって、ロックの分野ではジェフ・ベックが、ブルースの分野ではフレディ・キングがそれぞれカヴァーして、世に広めちゃった曲だから。

でも、実は、最初にレコードに吹き込んだのはこのモロコだといわれているらしいのです。なんたって、作者のドン・ニックスがプロデュースしてんだから、多分そうなんでしょう。

っで、そんな最初期のこの曲はどうかというと、これがまたカッコイイ。後にカヴァーされるようなスピード感こそないものの、60年代後半の「少しサイケの混じったブルース」って感じで、とても心地よいのです。

ギターは太く、やや歪んだ音でリフワークを見せ、もちろん、メインの『Down Down ・・・』の部分では、ボーカルに合わせたくだりのフレーズがそれられています。

この部分だけでも、多くのギタリストやボーカリストが取り上げた理由がわかるような名曲。とっても美味しいのです。

さらに彼らのバージョンでは、ちょっと湿っぽい雰囲気を払うようにオルガンがその上を自由に浮遊する・・・って感じに仕上がっています。

それにしても、カヴァーばかりが有名になって、オリジナルがかすんでしまうとは・・・なんと不遇なばんどなんでしょう。

≪From アルバム『Moloch』≫

Be my Baby / The LAST WORDS

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よく世間で言われることで、「リズム(特にドラム)がしっかりしていればいい音楽になる」とありますが、このバンドのこのカバーは正にそんな感じ。

ご存知のとおり、元々はスペクター・ファミリーの優等生、ロネッツの大ヒット曲。それをちょっぴりサイケにしてしまったのがこのカバー・バージョンなのです。

っで、何がすばらしいかといえば、本当にドラム。
もともとかなり緩いテンポでの演奏に加え、オルガンが全編に響き渡っていて、よもやダレ気味の演奏になりそうですが、このバンドのドラマーはすごい!!

からっと乾いた音のスネアを選び、タイトなリズム感を際立たせているだけでなく、ボーカルの終わった部分などの要所ではダブルストロークを使って、変化をつけたり、ロールに近い演奏まで見せています。

っと、今回はドラムにクローズアップしてみましたが、得体のしれないこのグループ、結構気に入っているので、今後また紹介するかも!?

≪From アルバム『The LAST WORDS』≫

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