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One Kiss Don't Make A Summer / Lucky Soul

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いいね、このバンド。
音楽の幅も広いし、おいしいツボを押させているよね。

やっていることは、古いガールグループ~シュープリームスなんかのモータウンをベースとして、ニューソウルのエッセンスまでを組み込んでいる感じ。アルバム全体がそんな感じなんで、その辺りが大好物な私なんかはもうメロメロです。

決してボーカルの声は太くないし、黒人的でもないんだけれど、それがまた功を奏しているよね。無理に似せても暑苦しいし、この声だからこそ本物のソウルと違う魅力があるのだと思う。

演奏は、文句つけようがないですわ。ジャケットを見る限り構成メンバーの幅も広そうだし、本当に古きよきソウルが好きなんだなぁっと。こんな難しいミッドテンポの曲も分厚いアレンジになっちゃうんだもんね。

そして、見逃せないのが、きっとあの時代を意識していると思われるマスタリング。さすがにレコーディングはデジタルだと思うけれど、マスタリングでの音作りは間違えなくフィルスペクターやシュープリームスを意識しているよね。

こんな音楽なら、モノラルミックスのLPで聴いてみたいかも。きっと心地よいんだろうなぁ。

≪From アルバム『Great Unwanted』≫

Medicine / Grace Potter & The Nocturnals

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いや~、こんなに熱いロックって久々だなって感じ。
どうも最近のロックって、“クール”を装ったものが多くて・・・。それはそれで好きなんだけれど、暑いときには、あえて火照ったような熱さを感じるものを聴きたくなっちゃうんです。

っで、ジャケ買いしたこのアルバム。そんな私の欲求を満たしてくれています。1曲目やこの曲なんかは、熱く、妖艶な雰囲気が溜まりません。

サウンドの全体の感じとしては、かつてサディスティックの女王、スージー・クワトロをもう少し南部志向にした感じかな(よくわからん表現でスミマセン)。

とにかく、タイトなリズム隊の上にブギなリフを刻むギターが絡み、その上にグレースのパワフルな歌いだしや、Bメロではウィスパーボイスで色気を誘うような表現が織り込まれていく感じ。

演奏も歌もハーモニーも極めてシンプルで、多分12トラックくらいですべてが仕上がっているとおもうんだけれど、それが逆に切れ味鋭いロックになっているんだよね。

実は、同時にこの人のソロ・ファーストも買ったんだけれど、それはもっとルーツロックな雰囲気でそれはそれで私の好物でした。バックバンドも同じだと思うんだけれど、コンセプトによってこれだけの切り返しができるのが、アメリカ音楽の奥深さだよね。

≪From アルバム『Grace Potter & The Nocturnals』≫

Here I Go Again / Anuhea

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このトロピカルなジャケット、なかなかいけてるでしょ?
迷わずジャケ買いでした。

ハワイ出身ってことは、ウクレレものかって思いきや、あらゆる南国音楽と最近のポップミュージックを混ぜ合わせたようなミクスチャーでした。

レゲエや、R&Bをベースとした曲が多い中、この曲は生粋のポップス。
ハワイアンらしい乾いたアコギとドラムスの音に、ややウェットな彼女の歌声が良くマッチしています。

もちろん、歌も上手いんだけれど、何よりも曲のよさが際立っています。
やわらかいメロディーとサビの部分での幾重にも重なるようなコーラスパターンは私のツボ。とってもおいしい部分です。


そして、トロピカルな雰囲気はリズムがかもし出しています。レゲエなんかでよくある4拍目にアクセントを持たせたリズム隊の絡みはこの曲の重要なポイントになっています。

それにしても、以前レビューしたDiane Birchもそうだけれど、最近の音楽って、どこかトラディッショナル回帰しているものが多い気がしませんか?単に私が気になっているだけなのかもしれませんが、ポップミュージックもまた原点回帰に向かっているのかなぁっと。

≪From アルバム『Anuhea』≫

Eyesight To The Blind / Aerosmith

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いやー、こういうノリの曲って好きだなぁ。
近所の中古盤屋のワゴンセールで見つけました、エアロのブルースアルバム。発売当初は、久々にワルっぽいエアロが聴けるってんで随分話題にもなりましたっけ。

この曲はホットな1曲目と2曲目のあとのミディアム・ナンバーなんだけれど、雰囲気はとても渋く、カッコイイ!!

もともと、このアルバムの曲は恐らく意図的にラフな感じで演奏されていて、全体にやや深めのリバーブがかかっているんだけど、それがブルースの“擬似ライブ”的な印象をかもし出していてくれてとても心地いい。

ちなみにこの曲、もとはといえば、Sonny Boy Williamsonのナンバーらしく(詳しくはわかりません、すみません。。。)、スティーヴンのラウドなボーカルと入れ替わるような間奏のブルースハープの音色がとても素敵。

そして、右チャンネルからの、多分、ジョー・ペリーのエルモア・ジェームズばりのスライドギターの音色もこの曲の印象をさらに強烈にしています。

昔から、エアロってストーンズとよく似ていると思っていたけれど、こういうブルースナンバーをやると、エアロの方がラフで当然ラウドで、やっぱりアメリカのバンドだなぁって思っちゃいます。

これにくらべると、ストーンズのブルースナンバーはやっぱりお行儀のよいブリティッシュ・ブルースなんだね。

≪From アルバム『Honkin' on Bobo』≫

You're The Man / Suit Yourself

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“力をもった歌”ってこういう曲のことをいうんだろうなぁ。

肩の力が抜けていて、それでいて胸に突き刺すようなメロディー。
とってもシンプルなアレンジなんだけれど、だからこそ歌の持つ力や生々しさを感じることができてしまうのです。

実は、ちかくの中古CDショップのワゴンセールで手に入れたんだけれど、なんか申し訳ないくらい素晴らしい曲でした。

聴こえてくるのは、彼女の声とアコギとボトルネックスライド、そしてリズム代わりのステップの音。とてもリラックスした雰囲気の中で流暢なスライドギターがブルージーなムードをかもし出すのです。

恐らく、ひとりの多重録音で、コーラスさえも彼女自身で重ねているとおもうのですが、なぜかとても肌触りが良い、人肌の温もりを感じてしまう音楽なのです。

昔、どっかで拾い読みした“ホントにいい音楽はどんなアレンジでも表現できる”って言葉をふと思い出しました。

きっと、こんな音楽のためにある言葉なんだろうなぁ。
ポップスの煌びやかさやSSWの優しい声、エレクトリックブルースやジャズの仰々しさに飽きたときには、こんな音楽もオススメです。

アメリカ音楽の奥深さとジャンルを超越した“歌のちから”にノックアウトされちゃいました。

≪From アルバム『Suit Yourself』≫

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