このアルバム、とってもいいっす。
最近のアメリカ発のCDではピカイチです。
なんか、ここ数年、ジョス・ストーンや今年のダフィーなど、イギリスから、イギリスらしい陰影をもった女性ミュージシャンがでてきて、そろそろアメリカでもって考えていたら彼女に出会いました。
前述の独特の陰影を持つイギリス女性勢に対して彼女の曲はどうかというと、アメリカらしくカントリーフレーバーも持ち合わせているのです。
この曲もそんなナンバーで、このカントリー風味はとても島国の英国人や日本人には持ち合わせていないもの。どこか素朴な彼女の歌声には、こういった雰囲気がまた合うのです。
でも、決してカントリーソングではなく、他の曲にも見られるように根幹にある70年代SSWのメロディーの流れ方をカントリータッチで表現している感じ。これがまた好感をもてるのです。
彼女の登場で私は2つのことを改めて認識しました。
ひとつは、やっぱりSSWの“うた”は好きだということ。
そして、もうひとつは、アメリカの音楽ルーツは太く根深いってことでした。
Valentino / Diane Birch
THE Milky Way Home/ Sonny Landreth
この人も実は数年前から気になっていた人なんです。
でも、手を出せずにいました。
正直、ギタリストの自我が詰まったアルバムってのが苦手なモンで。
そして、音楽のなかでつながったのは、今年に入ってジョン・ハイアットを聞いてからかなぁ。この人は、ハイアットのバンドメンバーということで私にはちょっと驚きでした。
っで、実際ソロアルバムを聴いてみると・・・バックバンドのときとは打って変わってブリブリのギター全開ではないですか!
この曲もそうなんですが、明らかにハイアットのバックの時のおとなし目な印象ではなく、全開のギターをはじめ結構ブルージーな音楽なんです。
そして何よりも、ギターに歌心がありますね。
所謂、惹きまくりのギターって感じではなく、フィーリングとギターが上手くマッチしているって感じです。
そしてこの曲では、エリック・ジョンソンがギターで参加とのこと。ジョンソンのギターは相変わらずなんですが、ランドレスのギターはテクニックよりも私をひきつける何かがあります。
もっと若いときにこの人を知っていれば、私のギタースタイルももっと置くが深いものになっていたのでは...と無茶な妄想のひとつもしたくなる今日の1曲でした。
Custard Pie / Jimmy Page & The Black Crowes
実は、このライブ盤は手に入れてからずっとお気に入りなんです。
なんたって、ハードロックギターの神様が、現代を代表するのサザンロック(異論はあると思いますが、あえてね)バンドと共演して往年のナンバーを歌わせるってんだからスゴイ。
当然、神様の全盛期よりも音響設備も良いし、メンバーも多いわけだから演奏は結構新鮮なものになっています。
で、実はこの曲がこのアルバムを象徴しているのかと。
なんといっても重視すべきはノリなんですよ。神様もすでにあの頃のような、神業的なことばかりができる御体ではないわけで・・・
そうすると必然的にグルーブ感が重要になってくるんだけど、そこはさすが。完璧なリフワークを聞かせてくれます。
もちろん、クロウズの面々もとってもグルービーに、(多分、昔コピーしたときを思い出しながら)一体となって演奏を繰り広げます。
ゼッペリン・フリークからはプラント以外のボーカルでライブを行うことに異論があるとは思いますが、私としてはゼッペリンとは違った視点で楽しめる曲です。
そうそう、ゼッペリンナンバーなのに、神様以外のギターの音色がドライな感じで、アメリカンなのも新鮮ですわ。
See Your Sunshine / Paul McCartney
偉大なるポール・マッカートニー卿さま。
まずは、あなたにお詫び申し上げます。
私は、あなたのファンであることを公言しながら、ここ数年のあなたの活躍に疑問をもっていました。正直に言えばナメていました。
だから、このアルバムだって、大手コーヒーショップ系レーベルから発売されるとのニュースを聞いたとき、購入を躊躇しました。
そして、2年後、私はやっとこのアルバムを手にし、そして当時購入しなかったことを後悔したのでした。
そこに刻まれた音は、あなたの新しい絶頂期を示すものでした。
例えば、この曲だけを取り上げてもそうです。
素朴で耳の奥に浸透するような分厚いコーラス・ラインに短いさすティーンで踊るようなベースをはじめ様々な楽器が絡み合って、さらにはリズムも変化させ高揚感を生みだす手法は、あなた以外にはなしえない業です。
この曲は、失礼ながら私の目標のひとつとなり、テーマともなりうる曲だと感じております。
すばらしい音楽を教えていただきありがとうございました。
そして、まだまだ私をはじめ世界の多くの方にフレッシュな音楽を発信し続けてください。
かしこ。
Turn It On / Franz Ferdinand
先週、やっとこさ購入して、結構はまっているのがこのフランツ・フェルディナンドの新譜。
過去2作も話題になったせいもあり、聴きましたがどうもピンとこず、そのままになっていました。
ところがどうでしょう、この3作目。
タイトでダンサブルなロックナンバーたちが私の好奇心をくすぐってくるではないですか!
ということで、今日はこの2曲目のナンバーを。
この曲は、アルバム中でも比較的ロック度の高い曲で、サビの部分ではディストーション・ギター音が冴え渡っています。
でも、それ以上に新鮮なのが、無機的なリズムと生々しいまでのボーカルの組み合わせ。今や、打ち込みを生々しく聞かせることだって簡単にできてしまう時代だけど、ここではあえて無機的なリズム(古いリズムボックスのような音)を効果音的に使っています。
そんな音を使って音の空間を埋めても、不思議と古臭さを感じさせないところが小粋なんです。
そしてもうひとつ、全体のグルーブ感がすごい!!
曲のアレンジがソリッドなだけに、私がこれまでこのバンドで感じにくかった強烈なグルーブ感を直感的に感じます。
この衝撃は私の中でもしばらく続きそうな予感・・・。