イギリスって国は本当に音楽に関してはミクスチャー感覚に優れた国だと思う。古くはビートルズやストーンズの時代から積極的に当時のアンダーグラウンドだったR&Bやブルースなんかを取り入れていたしね。
そして、この人もそういった感覚に優れた人だなぁと思うのです。
例えば、「この人の曲ってどんな曲?」って聞かれてもなかなか答えられません。フォーキーなものもあれば、シンガー的なものもあるし、デジタルロック(懐かしい!)的なものもある。
でも、どの曲にも共通して言えるのは、英国特有の陰鬱な雰囲気がミックスされていること。恐らく、色々な音楽に興味を示し、没頭するタイプの人だと思いますけど、音作りに関してこのイギリス固有の雰囲気は忘れていません。
もちろん、その感覚はこの曲でも顕著で、ある意味70年代のプログレにも通じる音楽です。
軽く歪んだ印象的なギターリフとキーボードのメロディを中心に音が敷き詰められていき、全体に深く、低めのトーンピークで設定されたリバーヴが施されています。
一聴しただけでは、この曲の良さがわかりませんでしたが、ついついクセになってしまいました、私は。
しかし、この人のように、時代や国柄関係なく、外からの刺激に敏感な英国のミュージシャンたちが多いことは、とても羨ましい。
こういったミュージシャン達の音楽を通して、今宵も新しい音楽と出会える可能性があることに感謝です。
Couldn't Cause Me Harm / Beth Orton
Top Yourself / THE RACONTEURS
「多分、今のアメリカのロックの一番いい音じゃないかなぁ。」
つい先日発売されたラカンターズのアルバムをはじめて聴いたとき、そんな気がしました。
私は前作は聴いていないのですが、ブレンダン・ベンソンとホワイトストライプって組み合わせから想像できるとおり、ハードロックな要素あり、メロウなギターポップな要素あり、さらにアメリカン・ルーツミュージックな要素あり・・・・と、正に1枚で5度くらいは美味しい内容になっています。
そんな“ごった煮”が漂うこのアルバムですが、今日取り上げるのは、アルバムの中盤でちょっとおとなしめの曲。
この曲をはじめて聴いたとき、「40年前のアメリカ人ができなかったツッペリン的なアプローチだなぁ」っと強く感じました。それほどまでに色々な音楽の要素が上手くミクスチャーされています。
まずは、トラッドは雰囲気の生ギターとマンドリン。ちょっと湿っぽい感じもイカしてる!!そして、リフを担当のスライドギターは正に70年代ハードロックのそれ。ツボにはまります。音もとても私の好みです。
そしてボーカルは、所謂ラップ感覚。
ちょうど、Gラヴなんかがやっていることと近いかもしれない。
言葉の韻がしっかりしていて、それだけでリズムを作り出しているような感じを受けます。
私のつたない言葉だけでは伝わりにくいと思いますが、ホントにコレはかっこいいです。
「きっと、この曲をはじめ、このアルバムの音楽たちには何年たっても古びない何かがあるんだろうなぁ」っと感じずにはいられません。
Baby Workout / Bill Wyman's Rhythm Kings
今日はちょっと反則で、DVDからのセレクト。
以前も紹介した元ローリングストーンズのベーシスト、ビルワイマンのソロプロジェクトの曲。
最近のソロプロジェクトでは、「Bill Wyman's Rhythm Kings」というバンドで活動しているけれど、このライブの時のメンバーがすごい!!
オルガンとメイン・ボーカルはジョージィー・フェイム、ギターはアルバート・リーが担当しています。そのほかにも、凄腕ミュージシャンが多数勢ぞろい。
こんな面子でいったいどんな音楽かと思いきや、R&Bやジャジーな曲が多いのです。
っで、なんといっても後半のハイライトは今日取り上げたこの曲でしょう。
古いR&Rテイストたっぷりな曲を、メンバー全員で楽しそうに演奏しています。ホーンセクションも全開で、その辺のホットな曲が好きな私のようなものには堪りません。
髪を振り乱しながら唄うボーカルの女性と掛け合わせるコーラスもオールデイズ風でとっても素敵なのです。
こんな曲でも親指でベースを淡々と弾いてしまうビル。
確かに、今のストーンズにはマッチしないかもしれないけれど、彼の堅実なプレイと周りを引き立てる姿勢が大好きな私なのでした。
You Don't Know What Love Is (You Just Do as You're Told) / The White Stripes
今年の冬、密かに私の中でお気に入りだったのがこのアルバム。
結構長い期間、どこのCDショップでもオススメとしておいてありました。
その理由の一端がわかるのがこの曲。
まずはわかりやすいギターリフ。それに呼応するようなリバーブ感たっぷりのドラムス。この2つが間違えなく核で、ここに少し甘酸っぱいメロディーが絡むと・・・こんな素敵な音楽になってしまうのです。
特に私はリフを弾くギターが気になってしまいます。
本当に大きなアンプでフルアップしたような音圧とドライブ感がたまりません。
きっとこの曲はライブでも盛り上がることでしょう。
ぜひ1度、彼らのライブを体感したいと思う私です。
He Wasn't / Avril Lavigne
久々の更新はこの曲。
なんといってもパンキッシュなソリッドな音がかっこいい曲です。
ご存知、いまや世界の人気スター、ラヴィーンの2ndアルバムからの1曲です。
彼女のこと、実はずっとのめりこむタイプではないなぁっと思っていましたが、最近になって過去のアルバムを聞き返し、そのちょっと子悪魔的で、カリスマ的な魅力に気づいてしまいました。それ以来、私の携帯プレーヤーに大量登録されています。
この曲はホントにシンプルな曲なんだけれど、それが最大の魅力になっている感じ。バックのリズムだって、ギターだって決してテクニカルではなく、パンクの香りがプンプン漂っているけれど、それがまた魅力的。彼女のエッジの鋭いボーカルもとてもマッチしているし。
実際、割ときれいに歌う女性ミュージシャンが多い中、彼女のような存在はとっても貴重だと思うのです。ちょうど、グラムロックブームの最中に、紅一点でスージー・クワトロがいたように。
まだ聴いていないけれど、彼女の3rdアルバムも買わなきゃね。