昨日あたりから無性にブルースを聴きたくなって。
それもコテコテのスローブルースをね。
っで、引っ張り出したのがこのアルバム。
昔、まだケツが真っ青な頃、よく聴いていたけれど、改めて聴いてみるとやっぱりいいんだなぁ。
と、いうことで今回はこの曲です。
アルバムのクレジットによると、録音は1972年。ということは、彼の全盛期からはかなり経っているし、ブルースリバイバルもそろそろ下火になってきた頃のものでしょうか。
しかし、そんなことお構いなしに、この曲では円熟味を増したブルースを聞かせてくれます。聴き所はなんといっても、トラディッショナルなスタイル(レジェンドなので当たり前ですが)のエレクトリック・スライド。特にこの時期のものは、ロックの影響からかやや歪んだギターの音色ですが、これがまたカッコイイのです。
ジェームズ・コットンもこの曲でハープを吹いていますが、彼のハープとマディのスライドがこれまたよく呼び合っています。
こうした、楽器同士での会話が聴いて取れるのもブルースのおいしいところ。果たして私メのギターはというと・・・まだまだ足元にも及びません。
Whisky No Good / Muddy Waters
Low Down and Dirty / Luther Allison
たまたま中古屋のワゴンセールで見つけたこのアルバム。
彼のことは名前程度しか知らないのに買ってしまいました。
でも、このジャケなら納得してもらえるのではないでしょうか?
っで、そんな数奇な出会いをしたアルバムのトップナンバーがコレ。なんといってもタイトなリズムの上をすべるようなスライド・ギターがしびれます。ブルースのレジェンドのはずなのに、このスライド・ギターは何処となく垢抜けていて、とてもメロディックなんです。そう、私のツボでした。
もちろん、彼のボーカルもカッコイイ。
迫力満点な歌い方なんだけれど、それがかえってこのポップな感覚のギターと好対照を成しているような気がします。
ちなみに、このアリソンさんですが、このアルバム発表直後の97年に病気で他界しているようです。っということは、このアルバム時にはある程度死期を悟っていたのでしょうか?
まさに最後の輝きとも言うべき名アルバムだと思います。
Quicksand / Albert Collins
本格的に音楽を聴き始めたのが80年代中盤以降の私にとって、テキサス・ブルースと言えばSRVだったりするわけですが、私より上の世代の方ではこのアルバート・コリンズ、通称アイスマンの方がしっくりくるのかも知れません。完全に後追いになってしまう私でも彼のインパクトはとても強烈ですから。
っで、彼の90年のアルバムから今日の1曲を。
彼の好きなところは、なんたってテレキャスから繰り出されるクールでサスティーンの長いクリーン・トーン。この切れ味鋭い音色は、結構使いこなすのが難しいと思うのだけれど、そこはさすがのブルースマン。効果的にフレージングを繰り返していきます。
この曲ではイントロからその切れ味のするどいギターが全開!!
そして、それにつられるかのごとく小粋なシャッフルに図太い声が乗っかって、これだけでカッコイイ。
ソロになると、ますます絶好調で、ホントにこのギターだけでお腹いっぱいになっちゃいそうです。
世間的には彼のボーカルについて、「あまり歌はうまくない」とされているようです。でもね、太い声で押し出すように歌うスタイルは私は好きだけれどなぁ。少なくとも、彼のギターとはとても合っているような気がします。
やっぱり、ブルースのレジェンドはすごい!!
It's About The Dollar Bill / Johnny "Guitar" Watson
このアルバム、某中古レコード店でジャケに惹かれて買ってしまいました。
あまり期待せずに家で聴いてみるとびっくり!!
内容はブルースとファンクの融合。
さらにこの人、自分ひとりで様々な楽器を重ねているではありませんか。所謂、ブルースマンとは一線を画したこの姿勢、衝撃的でした。
っで、その中でも2曲目のこの曲。
いきなりスキャットから始まり、ソリッドなリズムとともに、ヒップな感覚のボーカルが冴え渡ります。バックは彼自身が弾くと思われるエレピのような音がリズムを厚くし、ファンキーなフォーンセクションが華やかさを足しています。
そして、それではやっぱりブルージーなギター。
線の細い音で、フレーズを並べるのだけれど、なんだかとっても不思議な感じなのです。
今も聞いていて思ったのは、ミーターズなんかと近いのかと。
でも、これをそれまでの型をかえりみずに、一人のブルースマンが、一人多重録音もつかってやる・・・そんなアバンギャルドなところがなんとも素敵と感じる私でした。
Girl's Night Out / Sue Foley
久々、ブルースものです。
たまたま今日出向いたレコード屋で安く売っているのを見かけて、ついうっかり手を出してしまいました。
このアルバム、全編にわたってかなりカッコいいブルース・フィールを感じることができるのですが、なかでもアルバムを締めくくるこの曲のかっこよさときたら半端じゃありません。
要はジャムセッションのような感じなのですが、とても生々しいのです。スリーピースのバンドだけあって、ソリッドでタイトなリズムはドキドキさせてくれるし、肝心のフォーレー嬢の弾くたどたどしいメインリフも、多少荒くても感情の入ったソロも鳥肌モンですわ。
バンドとしてのグルーブも、テンションも最高に高い、本当にその場の空気までを感じさせる名演です。
あとね、この曲に入るときのカウント、これがまたいい。
これだけでこの曲の持つ魅力を2割増しにしているんじゃないでしょうか。
いままで、名前は知っていたけれど、なかなか手に入らなかった彼女の音源。これからは待っていきそうです。