やっぱり今夜も蒸し暑い・・・
「日本の夏は確実に熱帯化しているのでは?」との思いは私だけではないはず。熱帯化したとなれば、欠かせないアイテムがアロハシャツとウクレレですよね、やっぱり。
実は2006年に我らがヒーロー、ウルトラマンが国民にウクレレを広めるために立ち上がっていました(少なくとも私はそう信じています)。今夜はそのアルバムから、ウルトラマンのテーマ曲を。
たかだかテーマソングと侮るなかれ。
これがまた、とても心地よい仕上がりなのです。
まずは、イントロの「ド タタタター」のメロディからウクレレ3重奏が始まります。1コーラスめはウクレレがメインメロディを、2コーラス目ではウクレレはリズムを担当し、メインをスチールギターがカバーします。
個人的には、このスチールギターの“ゆるさ”がたまりません。
あたかもホンモモのハワイアンを聴いているが如く、心も体も安らいでしまします。
しかし、この誰でも知っている音楽がアレンジを変えただけで、こんなにも新鮮な曲になるなんて・・・奥が深い!!
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ウルトラマンの歌 / ウクレレカフェカルテット
Serious / DUFFY
ずっと気になっていたんだけれど、遂に買いました。
かのバーナード・バトラープロデュースの英国の新人のアルバムです。巷の噂どおり古今折衷な音作りで、かなり充実の内容です。
その中の前半のハイライトは曲でしょう。
なんといっても綺麗なメロディ。コレに尽きます。
ダフィのややドライなボーカルとリバーブをたっぷり効かした湿っぽいコーラスのかみ合い、これがとても爽快です。
そして、バックの演奏は、バトラーの才能が全開です。
もともと彼の場合、音を重ねてそのスキマを埋めていくのがとても上手なひとなのだけれど、この曲ではそのセンスの極みに達しているような気がします。
ハイハットとアコギの絡み、コーラスとストリングス絡み、エレピとクリーントーンのギター絡み・・・そして全体のバランス。
どれをとっても無駄がなく、互いに協調しあっているような印象を受けます。
このダフィ、デビュー直後から世間では、“2000年代のダスティ・スプリングフィールド”って呼び声も高いようですが私も納得です。
彼女の古き良き英国のブルーアイドソウル的な感覚と、バトラーのフィルスペクター的感覚のプロデュースが合わさればこその音だと感じました。今後の活躍にちょっと期待してるので、すぐに飽きないでねバトラーさん。
Whisky No Good / Muddy Waters
昨日あたりから無性にブルースを聴きたくなって。
それもコテコテのスローブルースをね。
っで、引っ張り出したのがこのアルバム。
昔、まだケツが真っ青な頃、よく聴いていたけれど、改めて聴いてみるとやっぱりいいんだなぁ。
と、いうことで今回はこの曲です。
アルバムのクレジットによると、録音は1972年。ということは、彼の全盛期からはかなり経っているし、ブルースリバイバルもそろそろ下火になってきた頃のものでしょうか。
しかし、そんなことお構いなしに、この曲では円熟味を増したブルースを聞かせてくれます。聴き所はなんといっても、トラディッショナルなスタイル(レジェンドなので当たり前ですが)のエレクトリック・スライド。特にこの時期のものは、ロックの影響からかやや歪んだギターの音色ですが、これがまたカッコイイのです。
ジェームズ・コットンもこの曲でハープを吹いていますが、彼のハープとマディのスライドがこれまたよく呼び合っています。
こうした、楽器同士での会話が聴いて取れるのもブルースのおいしいところ。果たして私メのギターはというと・・・まだまだ足元にも及びません。
Couldn't Cause Me Harm / Beth Orton
イギリスって国は本当に音楽に関してはミクスチャー感覚に優れた国だと思う。古くはビートルズやストーンズの時代から積極的に当時のアンダーグラウンドだったR&Bやブルースなんかを取り入れていたしね。
そして、この人もそういった感覚に優れた人だなぁと思うのです。
例えば、「この人の曲ってどんな曲?」って聞かれてもなかなか答えられません。フォーキーなものもあれば、シンガー的なものもあるし、デジタルロック(懐かしい!)的なものもある。
でも、どの曲にも共通して言えるのは、英国特有の陰鬱な雰囲気がミックスされていること。恐らく、色々な音楽に興味を示し、没頭するタイプの人だと思いますけど、音作りに関してこのイギリス固有の雰囲気は忘れていません。
もちろん、その感覚はこの曲でも顕著で、ある意味70年代のプログレにも通じる音楽です。
軽く歪んだ印象的なギターリフとキーボードのメロディを中心に音が敷き詰められていき、全体に深く、低めのトーンピークで設定されたリバーヴが施されています。
一聴しただけでは、この曲の良さがわかりませんでしたが、ついついクセになってしまいました、私は。
しかし、この人のように、時代や国柄関係なく、外からの刺激に敏感な英国のミュージシャンたちが多いことは、とても羨ましい。
こういったミュージシャン達の音楽を通して、今宵も新しい音楽と出会える可能性があることに感謝です。
Big time sensuality / Bjork
90年代を代表するこのビョークのソロデビューアルバム。このアルバムが出た1993年といえば、私はまだ田舎の中坊。
レコードショップやFMで彼女の名前は耳にしていたものの、まだ洋楽を聴き始めたばかりの小僧には、その高い音楽性が理解しがたいものでした。
そして、時が過ぎてこのアルバムを手にしたのは、それから10年たった頃。普通、こういったテクノロジー的な音楽って古びるのが早いのだけれど、彼女の音楽は別格かな。
その中でもこの曲が好きなんです。
打ち込みのビートにシンセで装飾を施している感じの曲ですが、それにしてもこのメロディーの美しさはなんなんでしょう。思わずうっとりしてしまいます。
そういったメロディーのよさが直接伝わってくるのも、このバックの打ち込みビートがあってこそだと思うのです。
無機質な中に、シャウト(?)を繰り返す部分など、とても生々しいビョークの声が妙に新鮮に、輝いて聴こえてしまうのです。
多分、これを生バンドの演奏でレコーディングしていてもここまでの生々しさは伝わらないはず。
あえて、機械で作り出したビートの中に身を置いたからこそあふれ出た生々しさなんじゃないでしょうか?
こうしたデジタルビートに綺麗なメロディーを乗せた曲って、実はとても難しいと思うのだけれど、最近、また妙に気にかかってしまうなぁ。自分でもいつか挑戦はしてみたいけれど・・・。