以前、この曲のカヴァー・バージョンをこのコーナーで紹介したことがあったのだけれど、やっぱりホンモノも聴きたくなったので、今日はコレを。
なんといってもこのアルバム、所謂サウンドトラックの中でも屈指の出来ではないでしょうか。ついつい聴きたくなってしまうのです。
そして、この曲はそのアルバムのラストを飾るのです(もちろん、映画本編でもラストシーンで流れていました)。静けさの中に力強さがあり、力強さの中にもやさしさを感じるような・・・そんなとっても素敵な曲です。
演奏はいたってシンプル。
ピアノの伴奏と、ボーカルとコーラスのみ。
だけど、この潔さが逆にこの曲をとても生々しいものにしていると思うし、本来持つ魅力を伝えるのに役立っているのだと感じます。
「生々しい曲にこそ歌の力を感じることができる」って、昔どこかで聴いたことがあるけれど、これぞ正にその好例ってところじゃないでしょうか。
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The Rose / BETTE MIDLER
Low Down and Dirty / Luther Allison
たまたま中古屋のワゴンセールで見つけたこのアルバム。
彼のことは名前程度しか知らないのに買ってしまいました。
でも、このジャケなら納得してもらえるのではないでしょうか?
っで、そんな数奇な出会いをしたアルバムのトップナンバーがコレ。なんといってもタイトなリズムの上をすべるようなスライド・ギターがしびれます。ブルースのレジェンドのはずなのに、このスライド・ギターは何処となく垢抜けていて、とてもメロディックなんです。そう、私のツボでした。
もちろん、彼のボーカルもカッコイイ。
迫力満点な歌い方なんだけれど、それがかえってこのポップな感覚のギターと好対照を成しているような気がします。
ちなみに、このアリソンさんですが、このアルバム発表直後の97年に病気で他界しているようです。っということは、このアルバム時にはある程度死期を悟っていたのでしょうか?
まさに最後の輝きとも言うべき名アルバムだと思います。
Crossroads of the World / Rod Taylor
世の中に、陽の目を見なかった“幻の名盤”ってモノがあるとするならば、このアルバムもそのひとつなのかもしれない、なんて考えながら聴いてしまいました。
数年前にようやくCD化されたこのアルバム、ようやく手に入れました。
以前から、様々なサイトでもスワンプやSSWの名盤として紹介されていましたが、なかなかお目にかかる機会がなく、忘れかけていた頃に手に入れることができたのです。
っで、この曲ですが、軽快なピアノにのせて重めのリズムとファジーなギターが彩りを添えているのですが、これがまた小気味良くて大好きなノリなんです。細かいクレジットがないからわからないけれど、このギター多分、ジェシ エド デイヴィスじゃないかなぁ。
ちょっとファズがかった感じがとても素敵!!
さらに、ロッドのボーカルにコーラスが掛け合うのだけれど、これはボニー・ブラムレット!?なんだかとってもスワンピーな掛け合いになっています。
CDのクレジットにもその他豪華ミュージシャンの名前が・・・。
デビュー作にしてここまでのミュージシャンを集めたにもかかわらず、あまり売れなかったらしい・・・。内容はスワンプ系としてもSSW系としても結構好きな感じだけにもったいない気がするのは私だけでしょうか・・・。
Pressure Drop / Robert Palmer
この人のこと、正直言ってあまり知りませんでした。
特に90年代以降に本格的に音楽にハマった、私たちの世代にとってはなじみが薄かったのです。
ところがどっこい、聴いてみたらその魅力に取り付かれてしまいました。
特に、このタイトル曲。実は、元ガンズ&ローゼスのイジーのソロ第1弾でカバーされていた曲でもあります。それを知っていたのでもともと好きではあったのですが、やっぱりこのオリジナルを聴くと、さらに取り付かれてしまいました。
基本はレゲエ。リズムだって、“Pressure Drop”ってフレーズだってとってもレゲエなんだけれど、彼のボーカルの歌いまわしはモロにソウルなんだよなぁ。このソウルフルさがたまりません。
演奏もかっちり決まっていてカッコいいんだけれど、なんとリトルフィートの面々がバックを演奏しているらしい。どうりで、音が重いはず。やっぱり普段からリズムがしっかりしているバンドはレゲエでも難なくこなしてしまうのですね・・・。
そんなわけで、ブルー・アイド・ソウルな魅力とフィートの新たな魅力を同時に味わえてしまう、私にとってはなんともお得な1曲なのでした。
Quicksand / Albert Collins
本格的に音楽を聴き始めたのが80年代中盤以降の私にとって、テキサス・ブルースと言えばSRVだったりするわけですが、私より上の世代の方ではこのアルバート・コリンズ、通称アイスマンの方がしっくりくるのかも知れません。完全に後追いになってしまう私でも彼のインパクトはとても強烈ですから。
っで、彼の90年のアルバムから今日の1曲を。
彼の好きなところは、なんたってテレキャスから繰り出されるクールでサスティーンの長いクリーン・トーン。この切れ味鋭い音色は、結構使いこなすのが難しいと思うのだけれど、そこはさすがのブルースマン。効果的にフレージングを繰り返していきます。
この曲ではイントロからその切れ味のするどいギターが全開!!
そして、それにつられるかのごとく小粋なシャッフルに図太い声が乗っかって、これだけでカッコイイ。
ソロになると、ますます絶好調で、ホントにこのギターだけでお腹いっぱいになっちゃいそうです。
世間的には彼のボーカルについて、「あまり歌はうまくない」とされているようです。でもね、太い声で押し出すように歌うスタイルは私は好きだけれどなぁ。少なくとも、彼のギターとはとても合っているような気がします。
やっぱり、ブルースのレジェンドはすごい!!