とっても色っぽいジャケットに目を惹かれてしまう・・・所謂、「古きよきアメリカ」ってのを体現したかのようなこのジャケ。
正直に言いますが、私はこのジャケに惹かれて買ってしまいました。
そんな中から、今日はこの曲。恐らく私も含め、多くの日本人にとってスイング・ヴォーカルってこんなイメージなんじゃないでしょうか?
ビッグ・バンドの演奏をバックに、艶やかな声を時折張り上げて歌う姿は、私のイメージのそれそのもの。
前半で押さえ気味に歌う彼女にトランペットが絡んでくる部分と、後半で全開に盛り上がったバンドをバックに彼女がちょっと巻き舌気味なボーカル(ネイティブだから当たり前だけど・・・)で声を張り上げる部分は、ホント鳥肌モンです。
硬苦しさは微塵もなく、純粋に当時のポップミュージックとしてのジャズを感じることのできる1曲です。
それにしても、このアルバムもそうなんですが、ここまで高音質化処理され半世紀前の名盤が期間限定とはいえ新品1000円で売られているなんて・・・十年前にはまず考えられなかったなぁ。
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Day By Day / Jaye P. Morgan
Eternal Life / Jeff Buckley
私たちよりも下の世代には印象が薄いかもしれないけれど、この人が登場したときは、あの伝説のS.S,W.の実息とカミングアウトしたことでとても大きな話題になっていました。
往年のロックファンも、当時の私のようなロック小僧もこぞってデビューアルバムを購入したものでした。
その彼の死後に発表されたライブアルバムからの1曲。
実は、デビューアルバムの曲の中でもこの曲が一番好きでした。
彼の曲は「静の中の動」を求めるタイプが多い中、この曲はその逆で「動の中の静」を探すような曲でした。
このライブ・バージョンでは、それがさらに顕著になっている感じ。まるでパンクのようなリズムの中を、切れ味の鋭いギターと搾り出すような彼の声が駆け巡っていく。
彼のギターの音だって、ノイジーで、スタジオ録音とは違った荒さも目立つけれど、それさえもとてもかっこよく聞こえるのです。
これを演奏しているときは、彼自身、まさか余命が短いなんて思っていなかったでしょう。この曲を聴くたびに、「今、彼がいたらどんな曲を聞かせてくれるのだろう?」っとついつい思ってしまう私です。
Thumping Beat / Lord Sutch and Heavy Friends
某雑誌でレビューされていたことをきっかけに購入したこのアルバム。実は、いまだにこの“ロード・サッチ”なる人物が何者なのかもはっきりわかりません。
ただ、わかっているのは、とてつもないメンバーにバックバンドを任せて気持ちよさそうにシャウトしているってことだけ。
なんたって、ジミー・ペイジとジェフ・ベックのツイン・ギターに加え、ジョン・ボーナムとノエル・レディングのリズム隊、キーボードはニッキー・ホプキンスと・・・「どうやったら集まったの?」って思わず突っ込みを入れたくなってしまいます。
そのなかでもこの曲がお気に入り。
いかにもペイジっぽい耳に残るリフとシンプルなバッキングギターにジェフ・ベックが彼にしかできないようなテクニカルな小粋なフレーズとソロを絡めてきます。この二人が左右の2本のギターを担当しているってだけで私のような70年代ハード・ロック好きには堪りません。
肝心のサッチのボーカルはというと、一生懸命ハード・ロックしようとしている姿は浮かびますが、いささかバックバンドにおされ気味。でもこれはこれで私は結構好きなんだけれどね。
それにしても、さすがにリズム隊もすごい。
さほど難しいことはやっていないにせよ、フロントマンが気持ちよくできるような安定感と力強さがあります。
私もそうですが、大人になってしまったギター小僧にはなんとも感慨深い1曲です。
Ziggy Stardust / David Bowie
この曲を聴いたことのない人は、おそらくいないでしょう。
グラムロックの代表曲であると同時に、ボウイ自身の歴史のなかでも重要な位置にある、まさに名曲。
実は、ボウイの本当の魅力がわかってきたのはここ数年で、それ以前はどちらかといえば“いい曲だなぁ”程度の認識でした。
このアルバムも昔から持っていたけれど、買った当初を除いては頻繁にレコード棚から引っ張り出すアルバムではなかったかな。
でも、この前久々にこの曲を聴いたら、全身がしびれてしまいました。
まずはラウドなギター。マーシャルとギブソンの組み合わせだと思うけれど、この粘っこさがたまりません。全編を通して暴れまわるわけではなく、きっちりと箇所を選んで曲に抑揚をつけています。
ボウイのボーカルもしかり。
Aメロは抑えた感じで歌い、Bメロはダブルトラックで左右からぐっと前に出てくるという仕掛け。
いかにもブリットなこういった発想だけれど、私は思うのです。こういった発想がこのシンプルな曲を名曲にしたてあげているのだなぁっと。そして、これも常に時代に敏感なボウイならではのわざだなぁっと。
おまけにもうひとつ、最近になって気づいたこと。
この曲が何かににているなぁっと。そう、わが青春をともにしたガンズでした。スラッシュのラウドなイントロにあわせ、アクセルが引き込むようなロング・シャウトをしている姿とかぶるのは私だけでしょうか・・・?
Growers of Mushroom / Leaf Hound
これは完全にジャケ買いです。
まったく名前さえも知らないまま買ってしまいましたが、予想通りかっこいいブリティッシュ・ハードロック。最近、どうもハードロックが恋しくて、そればかり書いていますが、この曲もカッコよかった!!
音作りは、初期のツッペリンを意識しているのではないかなぁ。ギターもテレキャスをマーシャルに繋いだような音。これは正に、初期のペイジの模倣だなぁ。
ただ、ベースとユニゾンしたリフでゴリゴリ押してくるあたりはモロに私のツボです。
色々調べたところによると、世間ではこのバンドのギタリストの評判はあまりよくないようですが、確かに派手さはないものの、私としてはこの曲のリフの作り方やブルージーなソロはなかなか捨てがたい魅力を放っています。
ただ、不満がひとつ。
私が買ったのが中古のCDで、多分リマスターが施されていないと思われる中高域の強めの音作り・・・。せっかくのカッコいい曲、できれば、もう少し音の厚みが感じられる盤で聴きたいと、ついつい欲が出てしまいます。
という訳で、きっとアナログかリマスターCDを見つけたら買いなおしてしまうだろう一枚です。