Amazon.co.jp ウィジェット

トップ > 音楽レビュー

City Music / Jorge Calderon

ファイル 237-1.jpg

“ホルヘ・カルデロン”って読むらしいです、この人の名前。
最初見たときは、恥ずかしながらなんて読むのかわからなかったのです。

この曲はかなりの名曲です。
成熟したシンガー・ソングライター系の音楽ってところでしょうか?ただし、フォーキーな感覚というよりは、ニューソウルな感覚が強い。もともと、当時のシンガー・ソングライター達はニューソウル系のミュージシャンと関係が深かったというから不思議ではないけれどね。

とにかく、すべての音がすべて洗練されていて、とても素敵な空間をかもし出してくれます。

イントロの左右からのギター、それをなぞるようなコーラスが重なると、とってもドキドキするような感覚に陥ってしまいます。

そして、最大のポイントはファンキーでパーカッシブなドラムの入れ方。決して派手な演奏ではないけれど、このドラムこそがこの曲の持つファンキーな感覚をひときわ引き立てていて最高です。

とても一介のギタリストが作ったとは思えないほど歌心あふれていて、素敵な音楽に仕上がっています。
彼のソロアルバムがこの1枚だけというのは惜しすぎる・・・。
ちなみに1度はCD化されたこの音源も現在は廃盤になっているようです。本当に惜しいなぁ。

≪From アルバム『City Music 』≫

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise) / Beatles

ファイル 236-1.jpg

最近、私の携帯プレーヤーに入っている音源の中でもかなり再生頻度が高いのがこの曲。中期以降のビートルズを考えた場合でもこれほど“ライブ感”をかもし出す曲は少ないのではないでしょうか?

実際にライブ録音メインだったはずの「Let It Be」のナンバーでさえ、これほどのライブ感覚はないものね。まだ、彼らのなかに潜在的にライブを意識していた部分が残っていた時代だからできた曲だと思います。

っで、何がこの曲をかっこよく仕立てているかというと、やっぱりギターなんだよね。そう、このファズがかったギター(この音色だとSGでしょうか?)が刻むリズムとボーカルの掛け合いに入るブルージーなフレーズ。ホントに素敵です。

ポールのカウントから始まって、ロックンロールなのりのままビートルズが誇る最高のハーモニーも最初から最後まで楽しめてしまうっというのもちょっとお得な気分にさせてくれます。なんといっても、ジョンの下からのハモリが私は好きでたまりません。

アルバムにのみ入っているこの“サージェント・ペッパー…”を体験したことがない方、この1分30秒に満たない曲を聴くだけでもこのアルバムの価値はあると思いますが、如何?

≪From アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』≫

Rollin' / Bonnie Bramlett

ファイル 235-1.jpg

今日はとっても肌寒い1日でしたが、紹介する曲はとってもホットなものを。

70年代初期の「スワンプ・ロック」ブームの火付け役で、所謂ミュージシャンズ・ミュージシャンとされているデラニー&ボニー。実はその後、この夫婦ディオは離婚してコンビも解消するのですが、その奥方の方の解消後の第1弾アルバムがこれなんです。

そんなアルバムから、このご機嫌なナンバーを。

実はこの曲演奏は、私の大好きなリトルフィート。
なので、音の厚みとグルーヴ感はある意味で保障つきなんですが、それにしても厚い演奏です。これこそ、洗練された「ブラック・ミュージック」を体現したかのような演奏です。

これに、ボニー自身の色っぽい声とL.ジョージのスライド・ギターが加われば、もう何も言うことはない、ホットなスワンプ・ロックとなってしまうのです。

ちょっとそこらのスワンプ気取りには真似できないような黒っぽさとセクシーさを兼ね備えた女性ボーカルが堪能できます。

もともと、デラニー&ボニーはどちらかというと好きだったし、なによりも70年代のロックが好きなので・・・なんて軽い気持ちで買ってしまいましたが、この曲の入ったこのアルバムは既に手放せないものとなっていたのでした。

≪From アルバム『Sweet Bonnie Bramlett』≫

Wild Horses / Tim Ries

ファイル 234-1.jpg

このアルバムは、そもそもの企画自体が面白いですよね。
ストーンズのツアー・メンバーがそのツアー中に暇を見つけてセッションした内容とのこと。なんで、どちらかというと内側からいつもと視点を変えて見たカバー集といった感じ。かなり新鮮でした。

っで、この名バラードはこのアルバム中の唯一のボーカル・ナンバー。歌っているのは、なんとノラ・ジョーンズなのです。

ここでは、彼女の1st.アルバムのような雰囲気で、吐息交じりのセクシーな歌声を披露してくれています。

バックの演奏は、音数が少なく、無駄のないハープとレンジが狭く、印象的な音を奏でるギターが中心でとってもシンプル。ドラムなんかもうっすらとリズムの抑揚をつけているぐらいだしね。

そして、ティム自身のサックスは要所ゝで、まるで泳ぎ回るかのごとく歌い続けます。ボーカル・ナンバーなのでもう少し抑えてもよいかも・・・なんて、思ってしまいますが、あくまでも彼が主役なんでね。

それにしても、特にこの頃のストーンズの曲って、アーシーな部分も多くて、現代風なジャズにするのは難しいと思うのだけれど・・・この人たちはホントにすごいなぁ。

≪From アルバム『The Rolling Stones Project 』≫

little baby / Howlin' Wolf

ファイル 233-1.jpg

今日は、しっぽりとブルースを。

このCD、2in1 なもんで、説明しづらいのですが、本来この曲が入っているのは、椅子の写真のジャケットの方です。
実は古典ブルースの中でも特に好きなアルバムだったにもかかわらず、数年前の引越し時のドタバタでこのCDを紛失してしまっていました。

そして、先日ようやく再購入しましたが、リマスターの威力に驚きました。全編で音の輪郭がはっきりとし、クリアーな感じになっていましたが、特にこの曲は迫力がましてすばらしいのです。

まずは、彼のダミ声。このダミ声のボーカルがとてもかっこよく響きます。そう、まるでいかりや長介のごとく。とにかく迫力があります。

そして、ドラムとピアノ、もちろんギターもとても生々しい音になっている!!
ドラムなんて、スネアの響線の音までも聞こえてきそうなくらいの勢いです。以前のCDではこの感動はなかったなぁ。

それぞれの楽器がくっきり分離して聞こえる分、スタジオ内の余韻というか、雰囲気というか、そういったものも見えてきます。

ブルースのCDも遂にジャズと同様、時代の流れで高音質化にのりだしたのでしょうか?賛否両論だと思いますが、私は肯定派です。
だって、どうしてもオリジナルの音が聴きたければ、レコードを買うまでですから。

≪From アルバム『Howlin' Wolf』≫