Amazon.co.jp ウィジェット

トップ > 音楽レビュー

light of the light / Kris Delmhorst

ファイル 75-1.jpg

いや~、久しぶりにヘビーローテーションするような名盤に出会ってしまいました。それがこれ。
実は先週、東京の某大手CDショップをうろうろしていたところ、フロアでBGMとしてCDがかかっていて、思わず1枚まるまるフロアで聞き入ってしまいました。そして、その場で購入。

そんな素敵なアルバムなんですが、そのフロアで聴いたときにこの曲の印象が特に強かったのです。

イントロのリズム隊の音からの入りから乾いた音が聞こえてきて、そこにハイハットのごとくアコギのストロークが絡み、エレキとオルガンで味付けをしてあるかんじ。わかりにくいけれど、デビュー時のリッキー・リー・ジョーンズと、同じくデビュー時のノラ・ジョーンズの中間といったかんじでしょうか?それぞれの音数は少ないのに、お互いのパートがそれを埋めあっているのです。

ボーカルもいわゆる「ボーカリスト」ってよりは、完全にSSWの系譜です。表現の幅は広くないけれど、とても説得力をかんじてしまいます。

まだまだ、知り始めたばかりの彼女。
これから、ゆっくりですが過去のアルバムやこの人脈の人々をたどってみようと思っています。

≪From アルバム『Strange Conversation』≫

De Do Do Do, De Da Da Da / POLICE

ファイル 76-1.jpg

年に何回かは必ずやってくる、“無性にポリスが聞きたい病”。

決して、リアルタイムで体験したわけではないし、そこまでのファンなわけではないんだけれどね。ただ、彼らのまったく無駄のないサウンドはとっても深くて、何度聴いても新しい発見があるのです。

っで、今日は彼らのライブ・アルバムから。
どうしても彼らにスタジオで凝った音ばかりを追求しているイメージが強いのは、私が彼らを後追いで体験しているからでしょうか?

それほどまでに、中坊のころにはじめて聞いたポリスの音は新鮮で、今でもその衝動は変わらないのです。

しかし、このライブ盤から流れるのは、もうひとつ違った側面のポリス。明らかな“静”と“動”が混在するまぎれもないライブ・ミュージシャンなのです。

この曲もスタジオでは、多少地味なイメージなんですが、このライブときたら躍動感がすばらしいです。特に、A.サマーズのギター。イントロからうねりまくっています。もちろん、あのきれいなコーラス・エフェクトのかかった音で。これほどまでにきれいにエレキ・ギターの音を響かせると、もうそれだけでノックアウトされてしまいます。

いまやポリスというと「スティングのいたバンド」ってことになっていますが、実際は、やっぱりA.サマーズの力が大きかったんだなぁっと実感してしまいます。

エレキ・ギターにゲージツを感じる今宵でした。

≪From アルバム『Live!』≫

Free Huey / Boo Radleys

ファイル 77-1.jpg

今日も懲りずに90年代ポップス。
最近、本当に私の探究心を駆り立てているのです。
先月紹介したエッグマンへと繋がるこのグループです。

なんたって、この曲はパワーがでます。曲としてはそんなに複雑ではなくリバーブの効いたドラムが細かいテクニックを駆使しているくらいですが、なんといってもメインのコーラス部分のシャウトがとっても印象的。

この部分、何重にも声を重ね、さらにいかにも当時らしい分離のはっきりしたステレオ感でかなりふわふわとした浮遊感あるような効果を狙っています。

そして、もうひとつの肝はなんといってもファズ・ギター。イントロでははっきり聞こえますが、その後もこのうねりを伴ったファズ・ギターがなんと心地よい効果音を演出していることか。

やっぱりこういったメイン・リフやコーラスがしっかりしていて、わかりやすい曲、大好きなんだなぁ。
そして、ギターの使い方、いかにもグランジを通り過ぎてきた世代だからなせる業だと思います。

90年代ポップスも結構奥深いですねぇ~。

≪From アルバム『Kingsize』≫

Me Just Purely / Brendan Benson

ファイル 78-1.jpg

今日もまた暑い!!
こんな暑い日にはやっぱり最上のポップソングが聴きたくなるわけで・・・。

っということで、今日はデトロイトのポップシンガーの彼のこの曲を。

久しぶりに聞いてみて、何はともあれ時代を感じてしまいます。このアルバムが発売された当初は、オルタナ・ブームが終焉しようとしていたころ。私自身は、オルタナにそんなに関心はなかったのですが、やっぱりこの頃の曲にはその影が色濃いですね(それは彼だけじゃないのですが)。

ただ、やっぱりこの人のギターの使い方はいいなぁ。しっかりとメロを追っているという感じがします。「妙なテンションなんか使わなくってもメロディックに仕上げられるのさ」って声が聞こえてきそうです。この曲なんて、前半はアコギのストロークと簡単なアルペジオだけなんだけれど、そのシンプルさゆえにメロの美しさが際立ちますね。

そして、Bメロで急に広がっていくコーラスとリズムを交えた演奏もぐっと来ます。どことなくストーンズの「Wild Horses」や「友を待つ」あたりを連想してしまうのは私だけでしょうか?

最近90年代ポップが妙に気になり始めたのは、リアルタイムでは気づかなかった「ロックの原点回帰」的な要素が見えてきたからなのかなぁ。と言うわけで、このサイトでは、これからも90年代ポップスをちょくちょく取り上げていきます!!

≪From アルバム『One Mississippi』≫

You Make It So Hard (To Say No) / Boz Scaggs

ファイル 71-1.jpg

まだまだ暑さ覚めやらぬ今宵、おすすめするのは最高のポップナンバーでございます。

1974年のアルバムのトップを飾るこのナンバー、最初にこのLPに針を落とした瞬間から気に入ってしまいました。なんたって、モータウンばりのベースラインとタンバリンの音、そしてボーカルと掛け合いになるホーン・セクション・・・これはあの60年代のティーンポップなんかとおなじパターンじゃありませんか。

それもそのはず、このアルバムのプロデュースはかつてモータウンで数々の仕事をしてきた人なのでした。なにはともあれ、この組み合わせはかなりGOODです。

そして、私個人としてははねるようなリズムのもと、パワー全開なボズと冷静なコーラス隊とのマッチングがとても好きです。すべてが熱くなりすぎると面白みが見えにくいんですよね、この手の曲は。

実は、まだまだボズのことはよく知らないし、聴いたアルバムも数枚なんですが、その魅力にハマリつつあります。

しかし、アメリカって国はポップスのエッセンスをよくわかっているなぁっと感心してしまいます。彼の声だって決して万人が「いい声」という声質ではないと思うし、歌だってとっても上手いというわけではない。ただ、それを彼の個性として料理してしまうところに趣を感じます。

残暑続く中、少し涼しくなる夜にこんなポップスもいいのでは?

≪From アルバム『Slow Dancer』≫