すっかりご無沙汰の書込みとなってしまいました。
暑い日が続いて気持ちもだれてきてしまっています。
そして、今日もとっても暑かった。夜になっても、部屋の温度計は32℃からビクともせず、気分をそらすためにグラム・ロック周辺の音楽を聴いていたところです。
今日はそんな中からの1曲。モットのアルバムのタイトル曲からです。
まだまだ無名だった時代に、かのデビット・ボウイがプロデュースを担当したアルバム。ちょうど彼が「ジギー・スターダスト」なんかやっているころだったので、その辺の影響はモロに見えます。
なんたって、アコギの使い方とディストーション・ギターなんてそのまんまかも。でも、意外とこのサビの部分のコーラスって頭に残るんですよね。ちょうどビートルズの「愛こそはすべて」と同じような感覚かもしれない。
しかし、この曲のボーカルもすごい。なにがすごいかって、初期のディランのようにメロディがないのにメロディックに聴こえてしまうのです。これは、どんなに計算されたメロディよりも美しく胸に響く時があるのです。
もともと演奏テクニックに重きを置いていないグラム勢の中でも、かれらのヘタウマ度合は群を抜いているといわれています。とはいえ、そんなラフだからこそ、ロックを感じるってものです。
今夜の蒸し暑さにうんざりの私には、そんなこと忘れさせてくれるような、ラフなロックに万歳!!
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All the Young Dudes / Mott the Hoople
God Only Knows / The Beach Boys
夏になると無性に聴きたくなるのがビーチボーイズ。
今や、私の体にとって、上質なカリフォルニア産のポップスは、日本の蒸し暑い夏を乗り切るには必需品なのです。
っと、いうことで今日は、彼らの中でも名盤と名高い『ペット・サウンズ』から。
実は、このアルバム、ハタチぐらいの時に買ってから2,3年はその良さが理解できなかったのです。ただ、漠然と「よい曲が多いなぁ」っというレベルでした。ところが、ある日、夜中の感覚の冴えている時にこの曲を聴いてすべてが変わりました。
はっきりいって地味な曲なのですが、すべてが計算されている音楽なのだけれど、あえて作り出す音のスキマ。この一見不用意なスキマがあることで独特の分厚いコーラスがとてもすばらしい輝きを持っていたのです。
60年代当時はギターを捨ててしまったロックバンドは、いわば丘の上のサーファーなようなモンだったとおもうのですが、新鋭のシンセを導入し、そんなことさえ忘れさせてくれるような素晴らしい曲を作ってしまったのです。
エンディングのコーラスワークもこのグループらしい手法で、不思議な余韻を残してくれます。
連休の最終日にこの曲で、不思議な世界へ心を寄せることのできる私は、ちょっとした優越感を持つのでした。
Sunshine Superman / Donovan
ジャケットからして、私は大好きなんです。
どうして、こんな素敵なジャケが作れて、それにマッチするような不思議な曲が詰め込めるのか、それはやっぱりこの人のありふれた才能ゆえでしょう。
今日は、このレビューでも何回か紹介しましたドノヴァンの大ヒット曲を。
この曲はよくCMなんかでも使われているのでご存知の方も多いと思います。イントロのベースとパーカッションのグルーブだけ取り上げても、そんじょそこらの名曲ではないことは明白。そして、なによりも全編にわたるシタールの音色。リマスターCDではこの音色もより鮮明になっていて、独特の雰囲気も増しております。
生ギターもハイ・ハット代わりのごとく、パーカッシブに鳴り響きサビの部分の彼のダブルトラック・ボーカルもドライな雰囲気を与えていて最高なんです。
実は、このレビューを書くにあたり見直したところ、CDの音源がモノラルだと気づきました。音数が少ない割りに分厚い音の壁のように感じるのは、初期のビートルズなんかと同じで、モノラルならではの現象なんですね。
この人の声もジョン・レノンと同じでモノラルの方が迫力を感じるタイプじゃないのかなぁ、っと妙に納得してしまいました。
とにかく魅力的な曲が詰まった「おもちゃ箱」のようなこのアルバム、今後も折を見つけてレビューします。お楽しみに!!
21世紀のスキッツォイド・マン / King Crimson
ロック・ファンなら誰もが目にした事のあるこのジャケット。
私も始めてみたときから、このジャケットのインパクトは忘れられず、迷った挙句にジャケサイズの大きなLPで購入した記憶があります。お掛けで、今でのこのアルバムを棚から引っ張り出すと、そんな懐かしさも一緒に漂ってくるんです。
っと、いうわけで、雑誌なんかの名盤紹介でも必ず紹介されるこのアルバムの1曲目が今日の曲。
いつ聴いても色あせないイントロのリフ。多分、ギター弾きならば誰もが爪弾いた事があるのではないでしょうか?それだけ印象的で、美しいメロディ。いかにもヨーロッパ人らしい魅力に溢れています。
そして、ドラムの夥しいほどの音数。既にヘビメタに片足が染まっているかのようです。
中盤は違ったリズムのパートが組まれ、そこでは練りすぎていないジャムセッションのような雰囲気を味わうことができます。
プログレ特有の緊張感の中に、人間味を感じる部分があるというか、私なんかは、なんだかそこにグッときてしまうのです。
私が聴き始めた頃は既にプログレというよりはハード・ロック、ヘビメタ小僧達のバイブルという気色が強かったのですが・・・私は純粋にその実験精神が好きでした。
私にとっては、ロックがまだプログレシブ(発展系)だったころの空気をパッケージして伝えてくれるような1曲です。
葉巻はいかが / Pink Floyd
このレビューを何度かお読みになった方はお気づきでしょうが、私は意外と地味なアルバムの中の佳作に強く惹かれてしまう部分があるようです。
実はこのアルバムもかなりのフェイバリットのひとつ。勿論、名盤と称される「原子心母」も「狂気」も大好きですが、このアルバムの迷いの垣間見える魅力も捨てがたいのです。
前書きが長くなりましたが、今日はそのB面1曲目(LPではね)から。
プログレがビートルズの「サージェント・ペパー・・・」から派生したとすれば、この曲は真にその系統の曲です。
淡々とリズムを繰り返すドラムスとベース、そしてフェイズ・トーンのギター。そこにモジュレーションのかかった切なく叫ぶようなボーカル。そして、決め手はなんと言ってもブルース・フィーリングあふれる泣きのギターでしょう。
正直、プログレに泣きのフレーズって異色の組合せだと思うのだけれど、すべてが計算しつくされたバックの演奏に、こんなラフなギターを組み合わされると思わずドキッとしてしまうのです。
それにしても、彼らのアルバムの中の小曲って、なんでこんなに魅力的なのが多いのだろう?でも、だから彼らのアルバムがいつになっても私にトキメキを与えてくれるのだけれどね。