普段はあまりインストものは聴かない私のなのですが、このインスト曲は格別に好きなんです。この時代のフュージョンっぽいインストものは退屈してしまうことが多いのですが、この曲は前半のブルージーな部分から後半のフュージョンへ流れていくのがまた好きなんです。
っと言うことで、本日の1曲は元ストーンズのミック・テイラー。彼のソロ・アルバムから。
この曲は、本当に凄い。何がって、ゲストでリトルフィートのローウェル・ジョージが参加しているから。ストーンズとフィートって、どう考えても結びつきが薄いような感じがするのですが、実はストーンズは一時期フィートのライブにもよく顔を出していたそうなんです。
ミック・テイラーもローウェル・ジョージの特異なスライド・ギターには衝撃を受けたのではないでしょか?
そんなエッセンスが、この曲からも感じられるんです。
なんと言っても、出だしのミックのソリッドなギターと対比するようなロング・トーン・スライド。この流れは曲の中盤でもいくつか見られるのですが、これが結構心地よいのです。お互いに自分の持ち味で相手を引き立てているような姿が目に浮かびますわ。
それにしても、数年前のジョン・メイオールのバースディ・コンサートではすっかりむちむちな体になった姿を見せ付けてくれたミック。
若い頃はやっぱり男前ですわ。
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Giddy Up / Mick Taylor
Nobody But You / James Taylor
今日は私の家の周りは朝から雨。それもしとしと降り続く典型的な梅雨の雨です。こんな雨にもっともよく似合うのはご存知ジェイムス・テイラーでしょう。特に初期の彼の甘く切ない歌声は、湿った心を柔らかいタオルで拭ってくれるかのようです。
っと言うことで、今日は彼のちょっと地味なこの4thアルバムから。
この歌は、歌の出だしから大好きです。短いイントロの後、少し息を吸い込んで歌い始める優しいメロディ。そして、エレキ・ギターの甘い調べ。
スパイスは、バックで私の敬愛するダニー・クーチの時折目の覚めるようなフレージングと音を引き締めてくれるスネア・ドラムの音。そして、音の厚みを増やしてくれているコンガの音色も捨てられません。
クレジットを見ると、なんと4人だけの演奏です(もちろん、オーバー・ダブはあるけれどね)。無駄をそぎ落として、曲の良さを最大限に引き出した演奏がこの曲では楽しめます。
そういえば、昔、私の友人のひとりが酒を飲みながらつぶやきました『犬や猫が一緒に写っているジャケットに悪い盤はない』っと。
どちらも好きな私もその意見に納得しております。
Son of a Preacher Man / Dusty Springfield
何か得たいのしれない美女・・・これまでの私のダスティ観はそんなもので、積極的に音源に触れ合おうとはしていませんでした。
ところが、このアルバムはそんな先入観を拭い去るには十分でした。
そんな素敵なアルバムからの1曲を。
この曲、もろにメンフィス・ソウルなんです。イントロのギターリフ、ドラムの響きからしてメンフィスの香りがプンプンの音なんです。さらに中盤からはホーン・セクションに分厚いバック・コーラスもついて、彼女自身の歌いまわしもそれに近づいていきます。
ただ、どんなに盛り上がっても理性を保ち、ヒートアップしすぎないところはさすがは英国人。また、そんなクールな面持ちが私の彼女に対する好感度を大幅にアップさせてくれました。
しかし、さすがはアトランティック・レーベル。お得意のメンフィス・サウンドを惜しみなく英国の歌姫にまで提供し、さらに魅力の増すようなアルバムを作ってしまうとは・・・。
単純な私メはすっかり虜にされてしまったのでした。
Lanebti Do Morro / Nara Leao
幻の名盤・・・まさにそんな呼び名がふさわしいのではないでしょうか。やっとこのアルバムにめぐり合うことができました。
思えば、2000年にこのアルバムの再発を知り、聴きたい衝動に駆られたものの当時学生だった私にはなかなか手の届かない音源でした。そうこうするうちに廃盤・・・最近になってやっとLPで入手できました。
そのなかのナラ・レオンのこの曲、とっても素晴らしいです。
もともと私の中では、ナラの少し陰のある、湿り気を帯びた声はフェイバリット。
この曲はとっても短いのだけれど、その中に彼女の魅力が凝縮されています。ナラの歌は、所謂ジャズシンガー達と比べると音程もタイム間も不安定なのだけど、ボッサという肌触りのいい音楽にはとっても合っています。この曲でもそんな魅力は全開!!
そして、伴奏のピアノと絡むパーカッションのアコースティックなリズム。この存在がこの曲に素晴らしい抑揚と清涼感与えています。今だったら絶対プログラムなんだろうけど、この頃は生音だもんね。感服してしまいます。
雨の降る休日の午前、そんな今日のような日には少しばかりの憂鬱さを振り払ってくれそうな名曲です。
Wallflower / Doug Sahm
こんなに演奏者達の楽しいそうな笑顔が容易に想像できる音楽もそんなにないんじゃないかなぁ。アルバム全体を通して、音楽の質としての色々なジャンルがごった煮に加え、それを個性的なメンバー達がそれぞれの視点で演奏した時に味わえる奇跡的な“刺激”のようなものをジャケットの絵のごとくメンバー達が味わっている様子を感じることができます。
そんな素敵なアルバムから、ボブ・ディランとの競演曲を。
なんとジャケットの絵にも登場しているんですね。右側で膝を折り、テレキャスを抱えている人、間違いなくディランでしょう。
そう、この曲では彼がリード・ギター、Dr.ジョンがオルガンというなんとも豪華布陣なのです。
肝心の曲はカントリー/ブルーグラスな風合いが強く、ダグに負けまいとディランもハモリに近いコーラスをとっています。終盤、歌詞を間違えてもそれを突き通すのはさすがです・・・。
バックの演奏はピアノの響きとドブロの音色が妙に美しくて印象的。オルガンとバイオリンが全体の音をとても分厚いものにしています。間奏では、いつになく落ち着き、少し不安定なディランのギター・ソロも聴くことができます。決して派手に宣伝されるような曲ではないけれど、愛すべき小曲っといったところでしょうか。
あれ、そういえばディランの息子のバンド『Wallflowers』じゃなかったっけ?単なる偶然か?