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Stoop Down #39 / J. Geils Band

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J.ガイルズ・バンド って、名前は知っているけれど私と同世代にはイマイチぴんとこないバンドでした。それは多分、私の世代が世間が80年代を恥ずかしいと思い始めた頃に音楽を聴き始め、80年代のあまりよくない彼らのイメージが染み付いていたからかなぁ。

でもね、最近になって70年代の彼らのアルバムを聴いてみるととてもカッコイイ。私の古いイメージにあるものとはまるで別物のようです。

今日は、そんな中から1曲。この曲は彼らお得意のブギースタイルで、ブルース・ロックなナンバー。こういった曲が普通に演奏できるのが生粋のアメリカン・バンドなんだよね。この手の曲をイギリス人や日本人がやってしまうと、埃っぽさがなくなって面白みがなくなってしまう。

彼らのこの曲のカッコよさのポイントはなんといってもブルース・ハープ。ブルース・ハープを使いこなすバンドは多くは知らないけれど、やっぱりブルースっぽい曲にはよく合う。ボーカルと掛け合いのようにハープが鳴る姿はまるで初期のストーンズみたいに。

そして、リズム・ギターもいい。多分ストラトだろうけれど、ざっくりした質感のリズムギターってカッコイイよね。思わず腰でリズムをとりたくなるような、そんなかっこよさなんです。

今まで、こんなにいい曲を知らなかったなんて損をして生きてきたなぁっと少し反省している次第です。
やっぱり食わず嫌いはよくないなぁ。

≪From アルバム『悪夢とビニール・ジャングル』≫

ブルースにこんがらがって / Bob Dylan

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私が少し自分自身を見失いそうなとき、常に叱り、励まして導いてくれるのはやっぱりディランの歌です。特にこの曲はそうかもしれない。高校生のまだケツの真っ青な頃に出会って以来、とても大切なレコードなんです。

とある人から譲ってもらって、はじめて聴いた時からこのアルバムに感動して、それから10年以上たった今でもその感動を忘れられません。

そんなこのアルバムのトップを飾るこの曲が今日の1曲。
この頃のディランはフォークもロックもひととおり経験したあとで、その丁度いいバランスを保っているような雰囲気です。

この曲もとてもきれいなアコギと渋い声でささやくようなメロから始まります。そして、リズムセクションが加わり、曲が進むにつれてディランの歌も叫びのように変化していきます。最後のハープの凄まじさでもそのテンションの高さが伺えますね。

実は、私はこんなテンションにもかかわらず、この曲で見せるディランの力を抜きながら叫ぶような歌い方が大好きなのです。これは絶対に彼にしかできえない、最大の魅力です。これだけで、決して“上手いボーカル”ではないけれど、何もかも彼の世界に引き込んでしまいます。

久々にターンテーブルに乗せましたが、やっぱりカッコイイ!
これからも永遠に私のお守りのようなレコードでありますようにっ!!

≪From アルバム『血の轍』≫

Hideaway / Bluesbreakers with Eric Clapton

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前回、とっても熱いロリー・ギャラガーを紹介したので、今回はそのモデルとも言えるとっても暑いクラプトンを。

もうこの曲は、ブルースロック好きの間ではバイブルのようなこのアルバムの中でもハイライト的な曲。それほどまでにカッコイイのです。

まずはやっぱり、クラプトンのギター。ギブソンギターの粘りのある音で、マーシャル・スタックを鳴らすとこんなに素敵な音がなるのを最初に実証したのはこのアルバムでしょう。適度にふくよかで、エッジの聴いた最高のギタープレイが楽しめます。

っと、圧倒的にギターサウンドなんですが、実はバックの演奏もシャッフルをしっかり支えるリズム隊、特にドラムが好きです。正確さに加え、リム・ショットなんかも随所に入れてとてもパーカッシブ!!
そして、ハモンド・オルガンです。メンフィス・ソウルなんかの影響かどうかはわかりませんが、MG'Sなんかにも通じるバッキングだなぁっと感心してしまいます。

きっと今のどんなテクノロジーを駆使しても、このフォームで厚みのあるギターサウンドは真似できないでしょうね。そして、この若さと勢いに溢れるクラプトンのプレーもね。

≪From アルバム『Bluesbreakers with Eric Clapton
』≫

Laundromat / Rory Gallagher

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久しぶりに聴いたら、思わずハマってしまいました。ロリー・ギャラガーの有名なライブ・アルバムでございます。
現在の日本での知名度はイマイチですが、これが発売された当時はクラプトンをも凌ぐほど支持されたギタリストだったとか・・・。

そんな話も今は伝説となりつつありますが、どうあがいてもこの曲はカッコイイです。ライブ環境での緊張感の中でリズムの展開、彼のギタープレイ、ボーカルの声の張り上げ具合、どれをとっても絶品です。特にギターはだれもが賞賛するように図太く、時にラフにリフとAメロなどは時に多少感傷的にボーカル時のバックを彩っていきます。
実は、このオーバードライブの魅力ムンムンな音作りは私の憧れのひとつでもあります。

手元にあるのは、リマスターのCDですが本当にいい音です。
もちろん、実際のライブにはかなわないけれど、その生々しさが伝わる音質。ブルースライブものが好きな私としては、この辺もポイント高いんです、実はね。

≪From アルバム『LIVE IN EUROPE』≫

Arms Of My Baby / Joss Stone

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少し遅くなりましたが、ブリット・ソウルの新鋭、ジョス・ストーンの新譜を紹介します。実は、今回のアルバムはあまり期待していませんでした。どうもシングルのPVが好きになれなかったから。

ところが、いざ買ってみると、やっぱり彼女はクラシックなソウルが好きなんだなぁっと感じさせる部分が多い。特にメロディにはその影響が大きいです。曲がりなりにもソウル・ミュージックが好きなものにとっては惹かれてしまう部分が多いのです。

っで、そんな中でもこの曲が気に入りました。
ヒップな歪んだリズムに乗せて、タイトなベースラインが躍動して、「アレサでも歌っているんじゃないか?」っと感じさせる彼女のボーカル。クラシックな佇まいといまどきな感覚のちょうど中間といった感じでしょうか?

そして、ギタリストな私としては左から聞こえるクリーントーンのギターの雰囲気ある空間がたまりません。いいフレーズが多いなぁ。

訳あって今は車のない生活ですが、車があれば五月の陽気の下真っ黒なサングラスをかけてドライブのおかずにしたい曲ですわ。

≪From アルバム『Introducing』≫