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Could It Be I’m Falling In Love / YOUNG-HOLT UNLIMITED

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私は常々、ニューソウルはもっとも完成度が高い音楽のひとつだと信じております。そして、ニューソウルといえばやっぱり“Super Fly”。もう、これは1種の合言葉のようなものであります。

っということで、今日はそのサントラより。
本来、私はインストってあんまり好きじゃないんですが、このニューソウルのモノは特別です。頭の中に響くメロディと、アナログ楽器たちの優しい調べ、それらを効果的に引き立てる当時の最新技術のワウ・ギターや電子オルガン、エレピが絡み合うドキドキ感があります。

この曲もそんなエッセンスがたっぷり詰まっております。
パーカッションにグルービーなベース、曲を装飾するエレピ・・・そして、なによりも素敵なメロディー。質感としてはダニー・ハサウェイなんかの曲に近いかもしれない(ボーカル部分がエレピに替わっただけかも)。

今日でGWも最後ですが、なんだか雨音とニューソウルのミックスを堪能したくなってきました。

≪From アルバム『the Super Fly』≫

If the River Was Whiskey (Divin' Duck Blues) / Rising Sons

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今、もし仮に、このグループを生で見ることができたなら誰もが興奮するんじゃないかなぁ。とりわけ私はライ・クーダーもタジ・マハールも大好き。ライと「黒いライ・クーダー」の夢の競演は昇天すること間違いないでしょう。

ということで今宵は世間的にはあまり知名度は高くないけれど、私のマストとなっているこの名盤からの1曲です。

まず、この「サイケチックな演奏はどうだ」、といわんばかりのイントロ。シンプルな12小節ブルースをこんな風にしてしまうところがライらしい。後に彼の代名詞となるスライドもブルージーに決まっています。スライド・ギタリストに憧れる私もお手本にさせてもらってます。

そして、タジのこのボーカル。彼のコンプの掛かったような声はいつ聴いても素敵ですわ。黒すぎず、白すぎず・・・意外とこんな歌い回しは難しいと思うんですが・・・。

現代はこんな貴重な音源が割りとお手軽にCDで入手できる時代ですねぇ。ロング・テール現象の産物でしょうが、こんな名盤ならいくらでも聴いてみたいですわ、懐が破れない程度にね。

≪From アルバム『Rising Sons』≫

Fire / Arthur Brown

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アバンギャルド・・・こんな言葉がぴったりなこの人。ジャケットを見ただけでも凄そうでしょ。このアルバムはどれか1曲を選ぶのではなく、トータルに楽しむものだと思うけれど今日はこの1曲を。

文句のつけようがないです、この完成度。地をはうような“Fire”の声とともにオルガンが唸りを上げます。単にサイケやプログレでは片付けられない“黒っぽさ”がにじみ出ています。

この人、声域も広いようで、オクターブ以上の移動もとてもスムーズに違和感がありません。私は特に中盤一旦スローになってからのささやくようなボーカルが好きです。

世間では割とアングラの部類に入るみたいなのですが、私は結構すきなのであります。きっと、60年代当時の英国で、80年代のPrinceの様な存在だったんだろなぁっと想像を膨らましているところです。

≪From アルバム『The Crazy World of Arthur Brown』≫

I Found a New Love / Ronnie Earl and the Broadcasters

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私は、スローブルースが大好きです。それは聴くのも自分が演奏するのも同じ。確かに車の中で聴くのはムードを落としてしまうし、出勤途中に聴くのも気分を滅入らせてしまう。だけど、どんな音楽よりも感情をストレートに表現してくれる音楽だと思うのです。

なぜ、急にこんなことを言うかというと、最近たまたま手に入れたこのアルバムが予想以上によかったから。なかでも唯一のスローブルースナンバーのこの曲がよかったぁ。

決してメジャーになるような凄腕の持ち主ではないのですが、このロニー・アールという人、適度にラフなギターが気持ちいいです。彼のこと、詳しくは知りませんが所謂“顔で弾く”タイプ(チョーキングとともに顔をしかめるタイプのことね)なのではないかと感じています。このタイプの人には、感情をギターで表現できるタイプが多いものです。

バックの演奏もとてもわたしの好きなタイプです。ギターが目立つけれど、ドラムとベースが適度に空間を作りギターが泳ぐ隙間を作り出している感じ。

かくいう私メもかつて“顔で弾く”ことを目指した時期がありました。連休後半は、このCDをおかずに久々に思い出してみますか。

≪From アルバム『Blues a BAMA』≫

Just A Photograph / Jesse Harris

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初めてノラ・ジョーンズの「Don't Know why?」を聴いたとき、新しさと懐かしさを感じたことを思い出しました。そして、最近、その懐かしさが作者のジェシーに由来することを知りました。

ということで、今日は現代のSSWのひとり、ジェシーのアルバムから。

この曲、実は私の大好きなある曲の影響を強く感じるのです。その曲はリトル・フィートの「roll em easy」。イントロのギターメロがこの曲の出だしそっくりで、中盤からでてくるロングトーンのスライドギターにもその影響が・・・。

もちろん、曲の持つ世界観はノラの1stと近く、音のスキマを意識した作り方なのですが、彼自身の頭の中のメロディのルーツが垣間見えたような気がしました。

私は今のところこのアルバムしか所持していませんが、彼のほかのアルバムをレビューする日も近いかも!?

≪From アルバム『The Secret Sun』≫